「みんなでよくなる。」ブログ


                『一歩前へ!!』

                                   画:田村正光




弊社はこの10月20日で決算を迎え第47期を終えました。おかげさまで

社員一同無事に一年を終了しました。これもひとえにお客様、取引先の皆様

のおかげと感謝しております!!私も何とか一年を乗り越え「ほっ。」と肩の

荷が下りたような気持ちです。・・・と思うのもつかの間、終わったと同時に

48期がスタートしてしまいました。こればっかりは死ぬまで終わりは来ま

せんね♪♪

 

弊社の経営理念は『みんながよくなる。』。まずは社員が良くならなければ始

まらない。社員の皆が不安なく結婚し、子供を育てられるような、そんな待

遇、給与制度にしていきたいというのは私の強い思いです。しかし、そのコ

ストをお客様にご負担いただくわけにはいきません。それどころか、お客様

にお値ごろな価格をご提示していくのが使命。(「そうなっていないじゃない

か!?」とお叱りを受けるかもしれませんが・・。)

 

ですから、第一に今期は工場の生産改善に取り組んでいきます。移動のムダ

、停滞のムダ、打合せのムダ、その他の改善に取り組んでいきます。こう書

くとギスギスした感じになりそうですが、そうではありません。「腰に負担が

かからないようにしよう。」とか「打合せのミスで喧嘩なんかしてないで気持

ちよく仕事をしよう。」とか、そんな話です。そんな工場こそが真に効率の良

い工場でしょう。ちなみに仕口の組立数を1個/人・日、増やせると弊社のよ

うな少人数の会社でさえ年間100万円以上のコストダウンになります。工

場にはお金が落ちているんですよね。

 

第二は、メーカーの技術力を活用し、「何か」お客様に貢献できないかを探っ

ていきます。弊社は「JFEシビル()」「日本ホイスト()」の製品の販売代

理店をさせていただいております。弊社はあくまで「ど鉄骨屋」ですが、何

かそれ以上のことができないだろうか、それ以上にお役にたつことができな

いか、を探っていきたいと思います。その取り組みの中で「建築のわかる鉄

骨屋」であれるよう力をつけていきたいと考えています。(というわけでメー

カーと共にお邪魔することがあろうかと思いますが、お付き合いいただける

と幸いです。)

 

とはいえ、ど鉄骨屋。いつも待ちの営業で、お客様にご提案するような営業

はとんとしたことがありません。したことがないことをするのは勇気がいり

ます。工場の生産改善についても、改善というと言葉は優しいですが今まで

の仕事のやり方を変えるという「強烈な自己否定」です。

 

ですから、勇気を出して、『一歩前へ!!』を今期の経営方針としました。

 

一歩前へ踏み出すのは怖い。社員の皆さんの反発もあるでしょう。あって当

然です。

 

・・・でも、やんなきゃいけないんです。

「溶接ロボ コマツくん」
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我が社には、4人の溶接屋さんの他に「溶接ロボ
 コマツくん」がいます。コマツくんには、柱大組の
溶接、タイコの溶接をやってもらっています。
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コマツくんはロボットなので、指示はパソコンで
行います。寸法、溶接箇所、コラムのサイズ
等、沢山の情報を入力します。
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全て入力し、スタートすると移動してワイヤー
先端で溶接部の状況を確認します。
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確認が終了したら溶接開始です。
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深夜も黙々と頑張って溶接をしています。
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翌朝・・・・・いつも通りキレイなビードを作り上
げてくれました。
コマツくん、お疲れさまです!

先月よりある工場の生産改善活動に参加させていただいております。やはり

製造業の利益の源泉は「工場」であり、そこにこそ「答え」があるのだと、

一念発起!!改善の基本を一から学ぶ覚悟です。

 

まだ夏真っ盛りの先月、第一回目の改善活動が開始されました。社長の「生

産改善をし、生産高を2倍に上げる。そして利益体質にして生き延びよう!

!」との挨拶からスタートした改善活動は、夕方には懇親会もあり、おおい

に汗をかいた後のビールはとってもおいしかった。同時に先生たちからお聞

きする話は、今まで自分が気づかなかったことばかりで、とても勉強になり

ました。

 

懇親会も終わりに近づいた頃、一番後ろに座っていた社員の方がおもむろに

手を挙げました。そして、会社に対する意見を切々と話し始めました。それ

は会社、社長に向けられた意見であり、その場にいる人たちは、それを会社

に対する痛烈な批判であるととらえたと思います。それは、「自分たちはこ

の仕事で飯を食っている。会社には継続してもらわなければならないんだ。

」というような内容でした。

 

その時、なんとなくですが、この工場生産改善は成功する!!と感じました。

なぜなら、対立しているように見える社員と社長は実はまったく同じことを

言っている。「生き延びる」、「継続する」と言葉さえ違えどまったく同じ

ように、会社が継続し発展することを望んでいる、ということに気付いたか

らです。

 

自分自身も、社員と、取引先と、お客様と、時に対立していると感じること

があります。しかし、社員とは同じ船に乗った運命共同体であり、取引先、

お客様、そしてもちろん社員も、「良い仕事でお客様にご満足頂く」という

同じ目的を持った仲間です。対立したと感じた時こそ腹を据え、目的から考

え、そして行動することが必要だと思います。

 

その社員の方は本当に会社を愛し継続を望んでいるからこそ、勇気を振り絞

って意見したのだと思うのです。そして力強く社員と対峙し腹を据えて実行

する社長がいる。

 

私も腹を据えねばと思うのです。