AARの前に、現行ルールでは英本土上陸できない理由について、私の考えを述べます。
1 現行ルールでプレイした場合の問題点
本作は現行のルールのままでは、航空戦たる「バトル・オブ・ブリテン」はプレイできても独軍のゼレーベ作戦「英本土上陸作戦」はできないと考える。3つの理由があろうかと考える。
1-1 海軍戦力の絶対的な差
第1に絶対的な英国本国艦隊の存在。戦艦、巡洋戦艦×5、巡洋艦×10、駆逐艦×47、潜水艦×12。対して独海軍は旧式戦艦×2、軽巡洋艦×3、駆逐艦×7、水雷艇×30、潜水艦×16と極めて劣勢である。9月Ⅱ以降、巡洋戦艦シャルンホルスト、グナイゼナウ、ポケット戦艦シェアー、重巡洋艦ヒッパーが増援として登場する。しかし、全て登場したとしても戦力不足。差は縮まらない。最強戦艦ビスマルク様は登場しないのか?40年8月当時は未完成で登場しない。なのでユニット化されていない(登場したとこでさほど意味ない気がする)![]()
戦力差は歴然。なので砲撃戦
は言うまでもない。8砲撃力、重装甲の戦艦ネルソン、ロドネーらに対して、独海軍は3砲撃力おばあちゃん旧式戦艦のシュレージェンらしかいない。重巡洋艦は独海軍は当初皆無。9月Ⅱにポケット戦艦シェアー、重巡洋艦ヒッパー登場と。なので、9月Ⅰに英本土侵攻した場合、この2隻は戦闘に間に合わない。さらには、巡洋戦艦シャルンホルスト、グナイゼナウに至ってはどう考えても、水上決戦終了しているであろう10月Ⅱ以降に登場と役に立たない。この点も極めて不利。
唯一、独海軍有利かと思われるのは水雷艇が30隻いること。本作は以前ソロプレイした海戦シナリオのAARのとおり、やたら雷撃
が強力である。戦艦よか強力!?かもしれない。だが、ゲームライクではあるが、戦艦らで遠距離砲撃戦から水雷艇を仕留めていけば、雷撃可能な近距離/雷撃距離に達する前に30隻いた水雷艇も相当数撃沈されて戦果が期待できない可能性がある。
頼みの綱のUボート様もたったの16隻しか登場しない。やたら少なく感じる。通商破壊も大事だけど言うなれば最後の決戦だからもっと投入すればいいのでは?でも、史実と照らし合わせると、どうもこれがせいいっぱいのようだ。「呪われた海」によると、1940年当時のUボート保有数非常に少ないかったような気がした。なので16隻っていうのはおおむね妥当なのかもしれない。本作の場合、駆逐艦のスクリーン突破後、雷撃可能。英海軍は当初47隻も駆逐艦を擁しているのでそのままでは、雷撃前に爆雷攻撃で爆沈。(実際にはないだろうが)仮に駆逐艦47隻だったら、スクリーン突破後、たった2隻しか雷撃できない。と、たった16隻のUボートでは戦果が期待できない。さらには、英海軍は潜水艦を12隻も擁している。対する独海軍の駆逐艦はたった7隻。。。なので、英海軍の潜水艦さえも脅威と考える。
最後の切り札(って言えるか?)機雷
には多少期待したい。機雷が敷設されている海域に進入すると触雷判定がある。1隻毎に判定して、触雷すると1損害。戦艦なら1打撃と大した打撃ではないが、軽巡洋艦なら大破~戦線離脱。駆逐艦、潜水艦なら撃沈となる。特に47隻の駆逐艦、12隻の潜水艦の触雷に期待したいとこだ。次に沿岸砲台。これは期待薄。沿岸砲台カウンターは少ない。戦果は限定的と考える。
以上、海軍戦力は圧倒的に独海軍不利。このままでは、独軍上陸船団のみならず護衛艦隊もろとも海の藻屑と考える。
1-2 「制空権」は関係しないのか?
第2に航空戦力。海軍戦力の差を航空攻撃で補う。それのための航空戦~バトル・オブ・ブリテンのハズだ。しかし、「たとえ」独空軍が制空権を勝ち取っても、現行ルールでは大して意味ない。そもそも爆撃機、急降下爆撃機も戦力不足と考える。本作は、航空機による艦艇攻撃
は、1ターンあたり目標の選定~AA射撃~命中判定を3回繰り返す。たった3回しか命中判定行えないのに、1回目の爆撃でAAを喰らってAの裏返しの強制帰還になれば爆撃はそれで終了である。2回パーになる。本作の対空砲火表は、独軍サイドからするとかなりキツイ。例えば、Ju87で戦艦ネルソン攻撃の場合を考えてみる。ネルソン&防空巡洋艦のAA力6なら、実に2分の1の確率でAAで妨害されてしまう。同じく、爆撃機でさえ、3分の1と結構高い確率で妨害される。よって、下手をすると、制空権に全く関係なく、「対空射撃AAだげで」英艦隊は独空軍を跳ね除ける可能性がある。さらには、Ju87を除くDo17Z、He111H、Ju88A爆撃機はある程度の高度からの水平爆撃という理由からだろう。AA射撃はプラス1と恩恵を受ける反面、命中判定マイナス1と命中しにくくなる。これも非常に不利。また、たとえAA判定、命中判定などうまくクリアしても航空機1ユニットあたり最大3打撃しか与えられない。
以上、制空権獲得に関係なく、全爆撃機、全急降下爆撃機39ユニットが束になっても英海軍を撃退できない可能性が強いと考える。
1-3 上陸戦闘について
第3に独軍英本土上陸後の陸上戦。現行ルールでは、たとえ独軍が天佑、僥倖、奇跡に恵まれて英本土に上陸成功したとしても、英陸軍に反撃を喰らって全滅させられる可能性が高いと思われる。現行ルールのままでは、英軍の配置、コマンドコントロールなど縛るルールが大してない。なので、独軍が上陸したら、英軍はありったけの歩兵師団、歩兵旅団、戦車旅団を集中させて反撃すればいい。上陸直後の独軍陸上部隊は数が少ない&ほとんど支援なしだろうから、戦闘力は微々たるもの。カンタンに4:1以上の戦力比で容易に全滅できると考える。対策として、独空軍航空機による防御支援も考えられる。だが、ただでさえも英海軍爆撃にてんてこまいだろうから、上陸部隊の防御支援する余裕などないハズだ。爆撃機らによる移動妨害も効果ない。狭いブリテン島しかも、ロンドン周辺に多数の歩兵、戦車旅団いるので妨害しきれない。これまた英海軍爆撃にてんてこまいだろうから差し向ける航空機などない。
さらには、上陸部隊支援のための第7空挺師団の空挺降下も極めて困難と考える。英空軍のパトロール攻撃/迎撃で容易に撃退可能。さらには降下予想地点に英軍AAカウンターを配置して、AA対空射撃で撃退も可能と考える。なので4個連隊中せいぜい1、2個連隊降下できれば幸運ということになりかねない。
また、これら障害をクリアして何とか上陸できても、英軍の封じ込めにより狭い橋頭堡から拡大できず、そのまま全ターン終了にもなりかねない。
と、主に3つ理由を挙げてみた。それ以外にもまだまだまだある。挙げればキリがない。例えば、必要と思われるルールがない。不完全。解釈があいまいなど。これら理由と合わせて、ルールの改訂、解釈が必要と考える。
2 ルール改訂にあたっての参考資料
「幻の英本土上陸作戦」Rコックス著/朝日ソノラマを参考にした。本作と共通するテーマ、内容にあたると考え参考とする。本書は架空戦。本作と同じく1940年9月22日~本作では40年9月Ⅱターンの独軍の英本土侵攻を描く。高校生の時、本書を何度も読んで独軍勝てないか研究したもんだ。今後ネタバレしていくので注意されたい。
現在もアマゾンなで古本として入手可能と思われます。良くできた架空戦記です。参考にするといいでしょう。
続いて、英本土上陸できるようなルール改訂などですが、長文で字数制限に引っかかったので次回とします。