ウォーゲームについて遺言する必要あるのか?
前回のつづき。ウォーゲームの遺言について。わざわざウォーゲーム相続を遺言書に書く必要があるのか?不動産、預貯金、生前贈与、特別受益の免除(特にこれは重要。紛争防止になりうる)などについては非常に重要なコトですのでゼヒとも遺言すべきです。ですが、わざわざウォーゲームの相続について遺言する必要あるのでしょうか?
ウォーゲーム=言わば故人の形見分け程度の動産ですのでわざわざ遺言する必要ないようにも思えます。相続財産としての価額もさほど高額にはならない可能性高いので相続人間でウォーゲームを巡っての紛争の可能性は低いと考えます。例えば、レッドサン・ブラッククロスのユニット未切断のモノはヤフオクで高額になるので私が相続する。ヤフオクで1,200円程度しかならない●●●はいらないよ。などモメることはないように思えますが。ですので、「口頭で」生前相続人に伝えておく。若しくは「遺言書ではない」言わば「書置き」としてワープロで処分についてしたためてもいかもしれません。例えば「私の死後、私の所有していたウォーゲームは全てヤフオク、ショップなどで売却して現金化して相続人に分配してほしい」とか、「ウォーゲームサークル●●●に遺贈する」、「友人の●●●●氏に遺贈する」など。これでも問題ないように思えます。
ワープロで書面化(遺言作成)しても民法の要件を満たしません!!つまりは「自筆証書遺言」扱いされません。くれぐれもご注意!!
ウォーゲームについて遺言する場合
それでも、中には遺言書でウォーゲームのゆくえについてしたためておきたい方もいらっしゃるでしょう。その場合、どう記載すればいいのか?ワタスが相談受けたならこんな感じでアドバイスするかな。
~長男に相続させる場合~
「遺言者は、その所有するゲームの一切を、長男アムロ・レイに相続させる。」
~妻にウォーゲームの処分をゆだねる場合~
「遺言者は、その所有するゲームの一切を、妻伊吹マヤに相続させる。相続後、妻伊吹マヤが売買、贈与などによりこれらゲームを処分することを認める。」
妻に全部相続を遺言した場合、遺留分の問題があります。子らは遺言による全部相続する母親に対し、最低限の持分分配を母親に対して請求できます。しかし、円満な親子関係でしたら、子が母親に対して遺留分を主張~遺留分減殺請求することは極めてまれと考えます。経験上、ほとんどのご家庭がお母さんが亡くなったお父さんの財産を全部相続するのに同意、納得する場合が多いです。実際には、全部相続したお母さんが、子に気づかって?数十万円程度お金を分配する場合もあります。それはそれで相続人が納得し、円満に落着する場合が多いように思われます。ですので、遺留分はさほど気になさる必要はないかもしれません。
~サークルなど特定の第三者に遺贈する場合~
「遺言者は、その所有するゲームの一切を、●●●●氏に遺贈させる。ただし、現状有姿の引渡しとし、ゲームのマップ、ユニット等の損傷、紛失など一切の瑕疵について免責とするのを引き渡しの条件とする。」
瑕疵について免責する文言を入れておくのをおすすめします。いないと思いますが、万が一にも、タダで譲渡したのはいいが、クレームがきた!なんてないように配慮したほうがよろしいでしょう。ヤフオク出品など売却の際も免責条項つけるなど注意した方がいいです。
さらには、遺言書の末尾の「付言事項」の中でウォーゲームの思い入れ、処分などについて記すといいでしょう。
付言事項 ~売買をお願いする場合~
「生前は趣味であるウォーゲームを楽しませてもらいました。私の死後、思い入れのあるウォーゲームがどうなるかとても気がかりです。そこで、お手数かけますが、ヤフオク、ショップなどで売却して下さい。ウォーゲームの価値を理解していただける方の手に渡れば幸いです。売れば多少のお金になるでしょうから、何かおいしいものでも家族みんなで食べてもらえればと考えます。
売却する際の注意点として、何せ中古品なので、ゲームのマップ、コマ等の損傷、紛失があるかもしれません。それについては現状での引き渡し。マップ、コマ等の損傷、紛失の可能性ある旨を注意点とすればよろしいでしょう。
お手数をおかけします。最後の私の意志としてよろしくお願いします。」
付言事項 ~知人に遺贈する場合~
「生前は趣味であるウォーゲームを楽しませてもらいました。私の死後、思い入れのあるウォーゲームがどうなるかとても気がかりです。そこで、お手数かけますが、ウォーゲームサークルの友人である●●●●氏に遺贈して下さい。ウォーゲームの価値を理解していただける方なので●●●●氏の手に渡れば幸いです。
遺贈する際の注意点として、何せ中古品なので、ゲームのマップ、コマ等の損傷、紛失があるかもしれません。それについては現状での引き渡し。マップ、コマ等の損傷、紛失の可能性ある旨を遺贈の条件とすればよろしいでしょう。また、遺贈に際しての税金は、相続税がかからないのであれば、渡す方・もらう方双方とも税金はかからないはずです。
お手数をおかけします。最後の私の意志としてよろしくお願いします。」
遺贈における税金
について
遺言書を作成なお、「遺贈」について贈与税など税金は発生するのでしょうか?遺贈について税務署に直接聞いたことがあります。結論から言えば、相続税の範囲内ならば税金は発生しないとのことです。第1回の設例の場合、基礎控除5,000万円、相続人1人あたり×1,000万円~5,000万円+相続人3人×1,000万円=8,000万円以内なら相続税=遺贈による税金は発生しません。ですので、遺贈を受けた方~受贈者の方に税金はかからない可能性あるので問題ないと考えます。
相続税については今後法改正の可能性大です。ご注意下さい。
また、「贈与」は年額基礎控除110万円ですので、この範囲でタダであげても税金はかかりません。ウォーゲーム110万円分の価額見込みの贈与は通常考えにくいです。
遺言書を作成すべき方とは
独身の方、ご結婚されていてお子さんがいない方は遺言書を作成すべきです。特に、ご結婚されていてお子さんがいない方は強く推奨します。っていうかゼッタイと言っていいでしょう。不動産ある方は特にです。例えばあなたが所有権持分を全部持っている。また、あなたが持分2分の1、奥さん持分2分の1でも同様です。これは、何も不動産に限らず預貯金も同様です。ご注意下さい。この場合、どう相続となるのか?遺言書を作成しないと、あなたの死去~相続発生から奥さんの法定相続持分が4分の3。あなたの親(ご存命なら)、兄弟姉妹が4分の1を持つことになります。例えば、あなたが全部持分の場合で、不動産の価額が2,000万円とすると、奥さんが1,500万円。兄弟姉妹が500万円相続となります。将来も奥さんが住むべきハズの不動産に対して、「遺産分割協議いかんで」兄弟姉妹に500万円も代償として払わなければならないというコトが起こりえます。このような気の毒な事例をイロイロ見てきました(幸いにも結果として代償発生しないようになったが)。ですので、お子さんがいないご夫婦は必ず奥さんに全部相続する旨の遺言書を作成しましょう。また、奥さんが先に亡くなる場合もありえるので「夫婦双方で」作成を強く推奨します。
なお、兄弟姉妹は遺留分はありません。
ご結婚されていない独身の方も遺言書を作成しておくといいでしょう。その際、「遺言執行者」といって、遺言を実行してくれる人を指定しておくといいでしょう。相続人、親族でなくてかまいません。第三者でも指定可能です。できれば行政書士、弁護士などの国家資格者を指定しておくといいでしょう。国家資格者ですので横領など悪さできないハズです。国家資格者である事が担保です。悪さすると刑事、民事のみならず国家資格者としても廃業、業務停止などの懲戒されますので。ともかく、遺言執行者がいれば、死後の相続手続きなどの事務をやってくれます。ウォーゲームの処分も遺言しておけば、いい具合に売買、遺贈などして処分してくれるでしょう。
自筆証書遺言と公正証書遺言
できれば公正証書で作成をお勧めします。特に不動産の相続がある、特別受益、寄与分などで相続人間で紛争のおそれがある。収益用一棟もの賃貸マンションなど高額な財産があるなどの方は公正証書での遺言を強く推奨します。自筆遺言だと、遺言の要件を満たさない、偽造、変造、紛失のおそれ。遺言作成時認知症で無効だと主張する相続人などトラブルが起こる場合があります。ですので、公証人という法律のプロが仲立ちするのでその指導の元での作成をお勧めします。ウォーゲームに関しての遺言をする時、いささか説明が必要かもしれません。これはナンですか?と。思い入れのあるゲームですと話せばいいかもしれません。なお、公証役場、公証人は法務省管轄の法務大臣が任命した元裁判官、検察官の方です。私の経験上、気さくな話好きなおじいちゃんが多いように思われます。ですので、ビビらずあなたの希望する遺言を相談して、作成してもらえばいいと思います。
他方、自筆証書遺言の場合ですが、何も公正証書まで、そこまでおおげさなと思われる方は自筆証書遺言でもいいでしょう。メリットはお手軽お気軽にできることです。自筆証書遺言の作成はお調べ下さい。全部自筆その他要件がいろいろあるのでご注意下さい。
独身の方が遺言を公正証書でも自筆証書でも作成した場合、残念ながら孤独死というリスクがあります。ですので、老後の見守りサービス、認知症などに備えた成年後見、遺言書の預かりなど法律の専門家に、成年後見、遺言などまとめて相談されるといいでしょう。
遺言・相続の専門家について
遺言書の作成など「遺言書の作成」は「法律上」弁護士、行政書士しか業としてできません。司法書士は「遺言書の作成」は原則できないのでご注意下さい。
紛争がないと予測される場合、わざわざ弁護士に依頼する必要があるのでしょうか?弁護士は日ごろ接していて思うに、やはり敷居が高いように思えます。何というか威張っている。相談は事務所に来てくださいなど。その点、行政書士はイイ意味で敷居が低い。コミュニケーション能力が高い方が多いように思えます。また、ご自宅に出向く場合が多いのでその点でもよろしいかと考えます。さらには、弁護士に比べて料金が安い場合が多いので費用の面でもよろしいかと考えます。行政書士の欠点は玉石混合です。業務に詳しくない方がいる場合あるので注意が必要です。これについては、ホームページとブログで確認しましょう。特に「ブログ」で本当に遺言・相続について詳しいのか十分見切った上で相談されるといいでしょう。
とまぁ、実務上の取り扱い、傾向など含めて、ウォーゲームの遺言・相続について考えてみました。そういうアンタはどうなの?今のところ独身ひとり身です。ワタスはできれば相続人ならぬ相続猫たるヒマラヤンのうんちねこ様に全部相続させたいです。しかし、現在の日本の民法では動物に相続はできません。法律上、動物はヒトではなくモノ扱いですので。地獄のミサワ調にかっこつけると「オレのウォーゲームは沈みゆく船と運命を共にするのさ…」といったトコでしょうか。かくなる上はソロでもいいのでできる限りプレイしてウォーゲームの生前供養しますわ。そんなオチでおしまい。
