沖縄でシナスパイが繁盛
[拡散]地元の反基地感情を利用しながら、米軍基地情報を奪取
F22ステルス戦闘機の撮影を航空マニアに依頼ほか沖縄で中国人スパイがやりたい放題している
(SAPIO 2012年7月18日号掲載) 2012年7月30日(月)配信
文=井上和彦(ジャーナリスト)
日本各地で跋扈する中国人スパイ。彼らが特に暗躍するのが、米軍基地が集中する沖縄だ。彼らのスパイ活動は地元の反基地感情を利用しながら、ますます大胆になっている。ジャーナリストの井上和彦氏が警鐘を鳴らす。
米軍嘉手納基地を一望できる「道の駅かでな」。
米軍が今、最も頭を痛めている沖縄県中頭郡嘉手納町に設けられた観光施設である。嘉手納基地を一望できるここから撮影された米軍機の写真が中国人スパイに渡っている可能性が指摘されているのだ。米軍機の写真を撮っているのは地元沖縄のA氏。航空機マニアである。そして写真を撮らせているのが中国人B、沖縄に住む実業家だ。
ある時、中国人Bが、「道の駅かでな」で、熱心に米軍機の撮影をしていたA氏に接近し、仲良くなったという。A氏の写真技術を褒め称えてその気にさせ、米軍機の写真を購入するようになった。アマチュアカメラマンにとって、自分が撮った写真を買ってもらえることは何より嬉しい。
有頂天になったA氏が周囲に漏らした話によれば、彼は中国人Bから日当1万円程度の駄賃を貰って恒常的に米軍機の写真を提供しているようだ。やがて中国人Bは撮影内容を注文するようになった。
「今度、ステルス戦闘機F22ラプターが来たら、エンジン部分の写真が欲しい……」
そんな特異なオーダーにも、写真の腕前を褒められてほだされたA氏は快く応じているという。中国人Bは、A氏を抱き込み、米軍最新鋭機の細部写真を撮らせているのだ。要するに“代理スパイ”の可能性が高い。
「米軍はすでにこの一連の行為を掴んでいる」(地元メディア関係者)
また、A氏自身も薄々、中国人Bがスパイであることに気づいているようだ。A氏と接触したことのある人物は私に、その印象をこう話していた。
「どう考えてもおかしいんです。当初A氏は、中国人B氏から写真の腕前を褒められたことを周囲に自慢気に話していたんですが、最近はB氏の話になると口をつぐむようになっています」
私自身もこれまで何度も目撃してきたが、欧州各地で開催される各種兵器展示会では、中国人調査団(スパイ)が各国の最新兵器の細部をデジカメで接写したり、あらゆる角度から撮りまくったりしている。これは、完成品から“独自製品”を作り出すリバースエンジニアリングのための資料収集だ。つまり中国の兵器開発にとって、航空機の構造に明るいA氏の写真はたいへん貴重な情報なのだ。
そう考えると、中国人BがF22のエンジン部分の撮影を依頼したというのは、ある事実と符合する。
F22が世界最強と謳われるのは、ステルス機能だけではない。群を抜く運動能力にある。そしてそれは、排気口からの噴流の向きを変える推力偏向ノズルなどによって生み出されている。現在、中国もアメリカに対抗してステルス戦闘機「J20」(殲20)を開発中だが、その外観はステルス機独特の革新的フォルムをしているものの、エンジンは、従来の標準的なジェットエンジンと同じであり、推力偏向ノズルは採用されていないようだ。だから中国は、F22が搭載するプラット・アンド・ホイットニー社製F119-100エンジンの特異な推力偏向ノズルの形状がわかる画像情報が欲しいというわけだ。
那覇空港からタクシーで道の駅へ直行する中国人
写真撮影はそれだけにとどまらない。中国人Bは、A氏に米軍パイロットの写真まで撮らせているという。パイロットのヘルメットには、「タックネーム」と呼ばれる愛称が書かれていることが多く、これによって勤務シフトなどを割り出すこともできるはずだ。恐らく着陸時の低速となったタイミングを狙い、超望遠レンズでコクピットを連写しているのだろう。
さらに、この中国人Bは、米軍機の無線交信情報も収集しているという。それを引き受けているのも先の日本人航空機マニアA氏。
嘉手納基地から飛び立つ米軍機は、帰投するまで嘉手納基地の管制塔と無線交信を続ける。A氏はこの情報を携帯無線機で傍受しているというのだ。例えばこれが哨戒飛行の場合、自機の位置を暗号のような座標で報せるのだが、使用されている電波の周波数や飛行位置を報せる座標などの情報が盗られると、米軍機のパトロール飛行のルートが割り出されることにもなるため、極めて深刻な問題なのだ。
だがこうした行為を取り締まる法律はなく、逮捕したり、警告したりすることすらできないのが実情だ。
しかもこれは氷山の一角だ。米軍は中国本土からやって来る中国人にも神経を尖らせている。F22が嘉手納基地に飛来したり、先の北朝鮮弾道ミサイル発射時に合わせてWC135大気収集機など珍しい機体がやって来たり、あるいはそれが予想されると、大陸から中国人がやって来る。彼らは那覇空港に到着すると、寄り道をせずに、タクシーで「道の駅かでな」に直行する。写真撮影など諜報活動が主目的であることは明白だ。
A氏といい、中国人といい、「道の駅かでな」を撮影ポイントとするのは、そこから嘉手納基地内部が一望できるからだが、もともと、嘉手納基地の国道58号線沿いの境界線は、金網フェンスではなく、基地内を覗かれないようにコンクリート製の高い塀が作られていた。ところが平成15年から、鉄筋コンクリート造4階建ての「道の駅かでな」ができたことで、嘉手納基地は丸見えとなっている。この施設は、「米軍嘉手納基地が一望できる展望フロア」などと観光スポットとして紹介されているが、実態は“スパイスポット”となっているのだ。
そして展望テラスには、わざわざご有料の高倍率双眼鏡が設置されている。しかも展望フロア階下の学習展示室では、展望フロアに設置されたカメラをズームして基地の中を覗くことができるから悪趣味としか言いようがない。基地に対する嫌がらせとは思いたくないが、結果として中国のスパイ活動を利することになっている。
こうしたことは、渦中の普天間基地でも起きている。基地を一望できる嘉数高台公園(宜野湾市)に設けられた展望台からは、普天間基地が丸見えになっている。実際、私もここで観光客を装った、望遠レンズ付きカメラを持った身なりのよい中国人たちを目撃したことがある。機材は充実しており、ただの観光客ではないことは明らかだった。
そもそも中国人が沖縄で活発にスパイ活動を行なうのには理由がある。グアムや米本土の米軍基地は警備が厳重な上、スパイ防止法もある。その点、沖縄は米軍の最新鋭機を撮りたい放題。ご丁寧に双眼鏡まで設置してある。
さらには沖縄独特の事情もある。基地反対運動を行なう左派勢力の存在だ。
台湾や尖閣諸島への軍事侵攻の機会を窺いながら東シナ海を自国の勢力下に収めようとする中国にとって、強大な在沖米軍は目の上のタンコブであり、沖縄から米軍を撤退させることは彼らの最大の課題である。つまり、中国の利害は、在沖米軍基地に反対する革新団体や地元メディアのそれと見事に一致する。
反基地の空気は、前述のように基地を“丸裸”にする施設の建設を可能にしている。
一方で左翼色の強い地元メディアは中国側に疑わしい行動があっても、見て見ぬふりをする。これが中国側のスパイに自由を与えている。09年3月には、中国の全国人民代表大会(全人代)代表団が沖縄を訪問したが、その際に、「道の駅かでな」の視察を強く要望していた(直前に「沖縄石油備蓄基地」訪問に切り替えた)。このことを地元メディアは一切報じず、経済界との交流ばかりが報じられたことを産経新聞は問題視し、指摘している。同紙によれば、この代表団には人民解放軍幹部2人が含まれていたという。
あまりに見事な“連携”ぶりに、中国の工作資金が、様々な手口やルートを使って反基地運動を展開する革新団体や地元メディアに流れているという噂が後を絶たない。
真偽の程はともかく、そのような噂がたつほど、中国を利する状況が生み出され、沖縄を“スパイ天国の島”と化してしまっているのだ。
解説:日本が核武装をするのにアメリカの理解が不可欠ですが、こういうところで信頼を失えば話にならない