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講和条約60周年 寂しい記念日 政府は特に行事予定なし、「主権回復記念日」法案も店ざらし
2012.4.25 23:34
 サンフランシスコ講和条約発効から28日で60年となる。日本にとって連合国軍総司令部(GHQ)の占領下から脱した“独立記念日”にあたるが、政府主催の行事などは予定されていない。自民党は28日を「主権回復記念日」に定める祝日法改正案を昨年8月に国会提出したが、棚ざらしとなったまま。政府・民主党の主権意識の低さがまたも裏付けられた。

 「わが国が完全な主権と自由を回復し国際社会に復帰した日だ。戦後の発展の礎となったばかりでなく国際社会の平和と繁栄の基盤となった。日米同盟を基軸に幅広い国や地域の枠組みを活用しながら地域の秩序とルールづくりに主体的に役割を果たしたい」

 藤村修官房長官は25日の記者会見でこう述べ、講和条約の意義を強調した。

 とはいえ、講和条約発効60周年に合わせて行事などは予定されず、首相談話を出す予定もない。野田佳彦首相は29日から訪米し、オバマ米大統領との共同声明で日米同盟の深化を打ち出す方針だが、米軍普天間飛行場移設問題や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加など懸案は棚上げされたまま。25日に予定された米軍再編計画見直しに関する日米両政府の共同文書発表も延期された。

 民主党でも60周年に合わせた目立った動きはない。樽床伸二幹事長代行は首相と同時期にワシントンを訪問するが、講和条約関連の行事予定はないという。
これほど関心が薄いのは、「全面講和」を主張した旧社会党の流れを引く議員が数多く残っていることが大きい。

 「民主党議員にいろいろ声をかけたが、乗り気になってもらえなかった」

 主権回復記念日制定に向け、祝日法改正案とりまとめを主導した自民党の野田毅元自治相はこう打ち明ける。故西岡武夫前参院議長や藤井裕久党税制調査会長ら自民党の流れをくむ議員は趣旨に賛同したが、「本来なら理解があるはずの旧民社系グループもダメだった」(野田氏)という。

 野田氏が配布した文書にGHQの占領政策について「教育分野では徹底的に制度や内容においても改変をされ、日教組が組織された」と記されたことも、日教組を支持母体に組み込む民主党を刺激した。野田氏はその後文書から日教組に関する記述を削除したが、民主党の輿石東幹事長が日教組出身であることもあり、民主党執行部はなお非協力的な姿勢を続ける。

 一方、自民党は28日に党本部でたちあがれ日本などとともに「主権回復記念日国民集会」を予定。27日には天皇を「元首」とし、自衛軍の保持などを明記した憲法改正案を発表する。たちあがれ日本も25日に自主憲法大綱を発表した。



弁護士、衆議院議員・稲田朋美 主権回復記念日を設ける意義は
2012.4.17 03:20

 サンフランシスコ平和条約が昭和27年4月28日に発効し、日本が主権を回復してから60年がたつ。平成21年の政権交代で下野した自民党は、「立党の精神に立ち戻れ」という掛け声の下、4月28日を主権回復記念日として祝日にする画期的な法案を議員立法により国会に提出した。今年の記念日には党本部で国民集会が開催される運びとなり、そこで谷垣禎一総裁が挨拶をすることになっている。

 ≪東京裁判史観からの決別を≫

 それ自体は大変喜ばしいことであり、原点回帰の証しといえるのだが、自民党はそのことの意義と責任を自覚しなければならない。

 主権回復記念日を祝うということは、安倍晋三首相が掲げた「戦後レジームからの脱却」を今一度わが党の旗にすることであり、その中核に据えるべきは東京裁判史観からの決別である。自民党総裁が記念日の国民集会で挨拶する意義は、政権奪還した暁には首相として堂々と靖国神社に参拝し、村山談話、河野談話を撤回すると国民に約束することにこそある。

 首相の靖国参拝は、対外(対中韓)的には、いわゆるA級戦犯の問題に、対内的には、憲法20条3項の政教分離問題に帰着する。

 東京裁判の主任弁護人、清瀬一郎弁護士の管轄の動議を国民共通の認識にしなければならない。すなわち、東京裁判は、いわゆるA級戦犯を「戦争を遂行した指導者個人の戦争責任」という、行為当時の国際法上何ら違法ではなかった行為を事後法で裁いたという罪刑法定主義違反、そして、ポツダム宣言10項で「われらの捕虜を虐待せる者を含む一切の戦争犯罪人」と謳(うた)われた範囲を逸脱した条約違反という、国際法に違反した二重の意味で不法無効な裁判であった。訴訟指揮や証拠の採否にも甚だしい不公平、不公正があり、裁判の名に値しない「東京裁判」ならぬ、「東京茶番」だった。

 近代法の大原則にも条約にも違反した野蛮な茶番の結果、いわゆるA級戦犯として処刑された人々を、主権国家たるわが国が靖国神社に合祀(ごうし)していることは、他国からとやかくいわれる筋合いのものでは全くない。そのことを国民全てが認識し、東京裁判の不当性を教科書にも記載すべきである。

 ≪首相は堂々と靖国参拝せよ≫

 政教分離問題は、憲法改正議論とも密接に関わってくる。主権回復記念日に発表予定の自民党憲法草案では、自衛軍(国防軍)の創設を、憲法9条を改正して明記するし、集団的自衛権の行使を認めることを党の方針としている。

 それは、自衛戦争で亡くなる人を憲法が想定するということだ。では、自衛戦争で祖国を守るために命をささげた人をどこに祀(まつ)るのかというと、ペリー来航以来の国難に殉じた人々を合祀している靖国神社以外にはなく、解釈上、首相の靖国神社参拝が憲法違反とのそしりを受けることのないような憲法の文言にする必要がある。

 平成7年の村山談話は、「東京茶番」の判決に従った連合国側に押し付けられた歴史観に基づくものであり、直ちに撤回すべきだ。日韓併合条約に対する誤った認識を示し、反省と謝罪をした22年の菅談話と、それを踏まえ韓国に朝鮮儀軌を贈与したことも誤りであったと宣言すべきだ。東京裁判史観で書かれた教科書で日本の将来を担う子供たちに誤った歴史を教えることは、犯罪的だといっても過言ではない。学習指導要領、検定制度の見直しを中心とする教科書改革は待ったなしだ。

 平成5年の河野談話は、いわゆる従軍慰安婦の強制連行が事実無根であるにもかかわらず、政治的配慮から強制性を認めた点で誤りであった。現在、韓国から執拗(しつよう)に要求されている、いわゆる従軍慰安婦に対する謝罪と補償については、事実と国際法の両面から反論し、きっぱりと拒否すべきだ。

 ≪「国ごっこ」やめ主権国家に≫

 戦争被害の決着は平和条約の締結で終わっている。それを後に、あれこれ蒸し返すことは国家間の決着を無意味にし、国際法上の正義に反する。韓国でいえば、昭和40年の日韓国交正常化の際に締結された日韓基本条約で、全て解決済みであり、同時に締結された日韓請求権・経済協力協定で、日本が韓国に対して無償供与3億ドル、政府借款2億ドルの支援を約束する一方、両国およびその国民の間の財産請求権の問題が、完全かつ最終的に解決されたということが確認されている。

  わが国はもはや、慰安婦問題を含む戦争被害に対し補償だの謝罪だの反省だのする必要はないし、また、してもいけない。 一時の政治的配慮でおわびをし、補償をするということは、平和条約を締結する意義を損なわせ、国際法のルールに反し、不正義だからだ。

 既成政党への不信が高まる中、政治に求められているのは、耳あたりのいいスローガンや、細かい事項を列挙したマニフェスト(政権公約)ではなく、決してブレない理念とそれを貫徹する覚悟だ。今年の主権回復記念日を、日本が「国ごっこ」をやめて真の主権国家になる始まりの一日に、そして保守政治再生の一歩にしたい。(いなだ ともみ)



サンフランシスコ講和条約発効から28日で60年となる。日本にとってGHQの占領下から脱した“独立記念日”にあたるが、政府主催の行事などは予定されていない。民主党政権の主権意識の低さがまたも裏付けられた。