成幸へのキセキ


 福井県鯖江市の株式会社西村金属(従業員30人、資本金1,500万円)は、地場産業である眼鏡の部品となる兆番30やねじ等の精密加工製品を製造している企業である。


 同社は、中国メーカーの台頭等により眼鏡生産が落ち込んでいた中、全国の従来まで取引関係のなかった新たな取引先を確保するために、2003年にチタン合金の精密加工部品の製造技術のインターネット動画配信を開始した。


チタン合金は、強度性、軽量性、耐食性、耐熱性に優れる一方で、精錬や加工が難しく、費用がかかるため、航空機や潜水艦、自動車等の高性能部品のほか、高級眼鏡の部品や高価格のゴルフクラブ等にも使われている。


眼鏡部品として、チタン合金の精密加工を手掛けていた同社は、一般的には「チタン合金が高くて加工しにくい。」というイメージがあるとは思っていなかった。


 しかし、動画配信して自社技術を紹介した結果、全国の様々な企業から、チタン加工による製品、部品製造についての問い合わせが集まるようになり、改めて自社加工技術が他業界では様々な事業機会につながり得ることが分かった。


 このような問い合わせの中には、自社の技術だけでは対応できない相談もあったことから、地元の様々な加工技術を有する眼鏡加工業者に仕事を依頼するようになり、次第に取引先を拡大させていった。


 今後、同社は、自らが全国企業と地元企業をつなぐハブ企業となり、地元の中小企業の受注拡大による経済活性化に貢献したいと考えている。


成幸へのキセキ



~寸評~

AID「E」MAの法則が示すとおり、発信力と「感性力」が現代マーケティングの核であり、社内の体制づくりにも同じことがいえるはずだ。


本事例は、製造工程を動画で配信することによって自社の技術力を感覚的に知らしめ、周囲との連携によって可能性を広げてきた背景がある。


同社のような方針を掲げる企業が増えれば、日本のものづくりは復活を遂げることが出来るだろう。


品質の源泉は人の質とは、まさに金言だ。