兵庫県加西市のトラストメディカル株式会社(従業員20人、資本金5,000万円)は、医療用機器や検査キットを製造する企業である。
同社は、当初金型製造や成形加工を行っていたが、国内外の競争激化により、将来成長性の低いことから、新たな事業を開始したいと考えていた。
社内外からアイディアを募集し、社長直々に事業可能性を検討するなど試行錯誤を繰り返した。
その中で、同社の社員の大学時代の恩師から「研究中であるDNA 培養技術が高速化されると、人間や家畜の病気特定速度が飛躍的に向上し、早期治療や病気蔓延などを防ぐなど、絶大な効果が期待される。」という話を聞き、情報収集や技術開発に必要なノウハウや人材を探したところ、自社での開発が可能と判断し、事業化に取り組むことを決意した。
その後、グループ内で新規技術開発に必要な資金を調達し、開発者が製品開発に専念できる環境を整備するとともに、創業以来常に注力してきたものづくりのノウハウを活用して、インフルエンザ等の病原菌ウイルスの超高速遺伝子検査技術を開発した。
同検査技術は、十数分で病原体ウイルスの特定を可能とし、病気の蔓延を防ぐことが期待されている。
同社が実証実験を重ねながら積極的に医療関係者を回ったことで、同検査技術は徐々にその効果が知られるようになり、現在では、大手メーカーや医療機関とも連携して更なる高速化に向けた取組を行っている。
~寸評~
消費者のニーズは目まぐるしく移り変わり多様性を極め、スピードの経済性が競争要因にならない時代が到来しようとし、益々企業側の対応を困難にさせている。
本質的な顧客満足を追及出来ている企業が少ない中、本事例は、潜在的ニーズとシーズの出会い、パートナー、飽くなき探究心の結合によって消費者ニーズの先取りを行っている。
市場の創り手たちが、イノベーションの連鎖によって
光の壁を打ち破り出す時、あるべき未来への足音が聞こえ始めるはずだ。
