高知県土佐市の廣瀬製紙株式会社(従業員35名、資本金2,000万円)は、主に合成繊維と水を使った湿式不織布を製造販売する企業である。
同社の製品は、他社製品と比較して約1~2割高価であるが、ショートや液漏れを防ぐといった安全性の面で優位性を持ち、セパレーターの世界シェア30%、国内シェア60%を維持している。同社のセパレーターの売上のうち海外への納品が約8割を占めており、アジア、アメリカ、ヨーロッパへ輸出も行っている。
同社は、セパレーター以外にも、食品用途の包材、濾過フィルター、名刺、トートバッグの布、文化財の補修用の紙といった様々な紙製品を製造しており、1平方メートル当たり2グラムという世界一薄い紙から様々な重さの製品を作る技術を持っている。
同社は、創業以来常に世界トップクラスの技術を目指しており、現在でも、二次電池やリチウムイオン電池に合わせたセパレーターやナノファイバー技術を用いたより均一性の高い不織布の研究開発も行っており、技術力の向上に余念がない。
~寸評~
事象を明らかにし、概念が事象を捉えることによって見えないものが見えてくるケースがある。
本事例は、不可能を可能にする共通目的の下、世界一の技術力に満足せず更なる研鑽を行い、急速な時代変化に対しても用意周到さが伺い知れる。
経済活動、事業活動、生活レベルなど視点を変えて見ても、本質的なモノの見方を同社は示唆してくれているのではないだろうか。

