「獅子唐君、今獅子唐君が言った条件の事業所を探してみるよ。
見つかったらそこに異動。」
小山部長が言った。
獅子唐は堪らえきれずに笑顔をこぼし、
勝ち誇った様にチラッと俺を見てきた。
「ドヤドヤ!俺の勝ちだろ?」
そんな獅子唐の心の声が聞こえて来る様だった。
ムキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
俺は、獅子唐がクビになることは100%無い
と言う事は最初からわかっていた。
しかし、獅子唐の現状を全て把握している部長が、
獅子唐が希望する条件の事業所に異動させると言ったことは
本当に意外だった。
ってか、それは、完全に獅子唐の思い通りになると言う事だった。
言い換えてみれば、クビになってもおかしくない様な、
仕事が出来ない問題児でも、長年勤めてさえ要れば、
希望すれば自分の好きな事業所に行けるということだ。
俺は何の為に獅子唐に教育をして来たのだろう。
会社の為ではなかったのか?
このまま何も出来ない無能なアホが意気揚々と自分好みの事業所に行って、
好き勝手やって良いものだろうか。
そしたら、今頑張っている子達はどうなるんだろう…。
完全に頑張り損である。
部長の一言を聞いた後、俺の頭の中では様々な思いが巡っていた。
いや、絶対におかしい!!
俺の頭は答えを出した。
これは多分間違ってないと思った。
係長は獅子唐と世間話を始め、
獅子唐は笑顔でそれに答えている。
俺はその様子を忌々しく見ていた。
「と、言う事でよろしく。」
小山部長が、この話を締め、獅子唐は仕事場へ戻って行った。
モヤモヤモヤモヤ…。
つづく。