白黒模様のきゅーちゃんを
最初に見たのは
6月の終わりだった
二階の窓かベランダから外を見ると
きゅーちゃんが道路を歩いている姿を
よく目撃した
外で見たのは一度だけ
それは
まるちゃんと喧嘩して逃げていく
きゅーちゃんの後ろ姿だった
それを最後に
姿を見ることは全くなくなってしまった
あれから
もうすぐ2ヶ月が経とうとしている
玄関に毎日置いているご飯
その横にはカメラを置いているけれど
映っているのはいつも同じメンバー
きゅーちゃんの姿は
一度も確認出来ていなかった
まるちゃんとトトロくん
新メンバーのくろちゃん
トトロくんとくろちゃんは
飼い猫さんで
まるちゃんは
ご近所のおばあさんがお庭で
お世話をしてくれています
まるちゃんのおばあさんから
白黒猫を見た方がいると電話があったのは
先週月曜日
猫繋がりのお友達らしく
Tさんとおっしゃるその方は
もう何年も
近くの公園にいる野良猫に
ご飯をあげに行っておられると
まるちゃんのおばあさんから聞きました
先週火曜日の夕方
まるちゃんのおばあさんの案内で
Tさんにお話を伺いに行って来ました
Tさんが
ご飯をあげに通っている
その公園というのは
うちから自転車で約5分
息子が小学生の頃
友達とザリガニ釣りによく行っていた
菖蒲園でした
ある組合が
環境整備事業の一環として管理している
その菖蒲園は
確か夏でも4時には閉園し
門が閉まってしまいます
管理者の方を説得し
避妊手術をするための捕獲と
リターンについては許可を得たものの
毎日ご飯をあげに来たいという
Tさんの要望は
どんなにお願いしても
聞き入れてはもらえなかったそうです
そこでTさんが考えたのは
組合の方が帰った時間(19時過ぎ)に
菖蒲園を囲んでいる鉄の柵の間から
カリカリをばら撒くこと
本当なら
お茶碗にカリカリを入れて
食べさせてあげたいけれど
中に入れないから
そうするしかないと思ったそうです
土の上や
枯れ葉の上にばら撒かれたカリカリでも
中にいる子達は毎日待っていてくれる
そう思ったら
行かないわけにはいきません
そうおっしゃっていました
土にまみれ
アリがたかっているカリカリでも
それを食べなければ生きていけない
そんな子たちがうちの近くにいたなんて
何にも知らなかった
柵に面した道路は交通量が多く
車に惹かれてしまった子もいるそうで
数年前8匹いた猫たちは現在
3匹になってしまったそうです
その公園にご飯をあげに行った時
白黒模様の猫を見たという事でした
そりゃあもう行くしかないでしょ
話しを聞いた翌水曜日
19時過ぎに行ってみた
この時期
19時過ぎはもう暗い
柵越しに目を凝らしてみても
何も見えない
街灯に照らされている場所でさえ
こんな感じ
3匹の猫たちはご飯を待っているんだ
そう思ったら
切なくて 切なくて
ご飯をもらえるだけでも幸せ
そんな風に思う事は
出来なかった
Tさんが見た猫が
きゅーちゃんだったかどうかはわからない
でも
私はまだ諦める事が出来ず
ご飯を毎日置き
早朝の捜索を続けていました
今日夕飯前に主人が
カメラの映画を確認
そしたら
トトロくんでも
くろちゃんでもない
きゅーちゃんが映っていた

来てくれた


きゅーちゃん
やっとご飯に気付いてくれました
ご飯に気付いてくれたという事は
きっとまた来てくれる
嬉しくて
嬉しくて 嬉しくて
今夜は眠れないかもしれません
どうせ眠れないなら
きゅーちゃんのこれからの事を
ゆっくり考えようと思います
きゅーちゃん
ご飯に気付いてくれて
本当に
ありがとー

毎日やってくるメンバーが
たくさん食べても無くならない様に
今夜のご飯は
山盛りです





