二階のぴーちゃんのお部屋には
人気の窓がある
この窓は
どの子もみんな大好き
ティアも
目の前に
道路が真っ直ぐ伸びていて
見晴らしがいい
心地よい風も入ってくる
私道なので
車の通りもほとんどない
何より
私とクロちゃんが
出会った道路
クロちゃん
は
エイズキャリアだった
口内炎がひどくて
お口から出血もしていたため
この部屋で隔離生活をしていた
ティアがこの窓にいると
クロちゃんの姿と重る
臆病で
人が怖くて仕方がなかったクロちゃん
クロちゃんを撫る事が出来たのは
もう動く力も尽きた
亡くなる数日前のことだった
うちの庭に2年通ってくれた
クロちゃん
捕獲器で捕まえたクロちゃんと
同じ屋根の下で暮らしたのは
たったの1年だったけれど
決して忘れる事の出来ない
クロちゃんとの日々
クロちゃんは
野良猫が
外で生きていく過酷さを
私に教えるためにやって来た
そう思っている
ここしばらく
うちの周辺で
野良猫の姿は見ていなかった
けれど最近
白黒の小柄な子をよく目撃する
最初に見かけたのは
1週間ほど前
慌てた様子で
三軒先のお宅のお庭に入って行った
窓から外を見ていると
周りを気にしながら
ご近所のお庭に入って行く白黒ちゃんを
ほぼ毎日
目撃するようになった
まだ外では一度も遭遇した事はない
二階の窓から見かけるだけ
だから
性別はもちろん
お顔もはっきりわからない
迷子なのか
遺棄されたのか
小柄だけど
痩せてはいない白黒の子
わかっているのはそれだけ
昨日
仕事が休みだったので
シーバを持って
家の周りを探してみた
けれど
会うことは出来なかった
昨日は日差しも強く暑かった
どこかの日陰に隠れていたのだろうか…
しかし
夜になっても
窓から姿を確認する事は出来なかった
急に心配になり
玄関の前に
カリカリを置いてみようと決めた
アリさんが来ないように
植木鉢の受け皿に水を張って
真ん中にカリカリのお茶碗を置いた
食べに来てくれます様に


今朝5時半
お茶碗を確認
カリカリは減っていなかった
そんなにすぐには
気づいてくれないか…
もう少し
様子を見ようと諦める
ところが
出勤しようと家を出た8時半
近所には
朝と夜に飼い猫を外に出しているお宅がある
見た目はトトロ
けれどお顔は強面の
グレーの毛長のでっかい猫
その子かもしれない
だって
お腹がペコペコだったら
残さず全部食べるのではないだろうか
誰が食べたかはわからない
でも
白黒ちゃんかもしれない
玄関
↓
駐車場
↓
庭の入り口
↓
庭の奥
この様に白黒ちゃんを
クロちゃんがご飯を食べていた場所に
誘導しようと
白黒ちゃん誘導作戦を企てている
今夜は雨

ご飯が濡れない様に
対策は万全
うちにおいで!!
白黒ちゃん
待ってるからね





