音妓ちゃんは
今年の3月の初めに
姉宅の庭に来るようになりました
春まだ浅い
ある晴れた日に
ウッドデッキの下で
日向ぼっこをしていたそうです
鯖の水煮缶をあげてみたら
すごい勢いで食べたけれど
その時は
全部食べ終えると
すぐにどこかへ行ってしまい
でもその後
3日おきくらいに来る様になり
1日おきになり
いつしか朝晩毎日来る様になって
姉と甥っ子は
その黒猫に
音妓ちゃんという名前をつけ
お世話を続けると
出会ってから2ヶ月を過ぎた頃には
撫でることも出来る様になりました
姉からはラインで
音妓ちゃんの様子を
よく聞いていていましたが
食欲はあるけれど
痩せているし
鼻水とヨダレが出ていて
あまり体調がいいとはいえない
そんな印象でした
7月半ば
姉から
音妓ちゃんの背中の毛が
抜けて来たと
写真が送られてきました
7月末には
ほとんど抜け落ち
しかも背中で
小さな虫がうごめいていると
動いている虫の動画が…
姉は
1度も連れて行った事のない
しかも野良猫に
お薬だけ出してもらえるのか
そんな不安があった様なので
私がその頃お世話になっていた病院で
フロントラインを出していただき
姉に送ると
背中のダニ(?)は綺麗にいなくなり
ひと安心…
けれど
次の心配は夏の暑さ
音妓ちゃんの体調が心配でした
この頃は
ヨダレや目やにもあったので
抗生剤やステロイドを送って
ごはんに混ぜて
飲ませてもらっていました
何とか夏を乗り越え
涼しくなって体調も少し上向き
毛も綺麗に生えそろい
元気だった9月末頃
次から次へと
心配事はやってきました
体調は上向きで
食欲もあり
ちょっとふっくら…
でもそのふっくらが
お腹周りだけかも…
妊娠してるかも…
というラインが送られて来ました
これはもう
捕獲して病院しかないという事になり
姉も準備を始めますが
病院予約の日に捕獲失敗
警戒した音妓ちゃん
翌週の予約日には現れず
この頃は
私も焦っていたせいで
姉と少しギクシャクしてしまいました
けれど
姉も甥っ子も
音妓ちゃんの事で心痛め
心配している事を知り
音妓ちゃんの事は
姉達に任せよう そう決めたのでした
結局
それ以上お腹が大きくなることはなく
妊娠はしていませんでした
しかし
ここ2ヶ月で
音妓ちゃんの体調が
また悪くなってきていました
食欲が落ち
またガリガリに痩せて
ヨダレと目やにがひどく
11月の末から
下痢が続いていたそうです
2週間前に帰省した際
音妓ちゃんへのお土産に
猫ベッドを持って帰り
音妓ちゃんには会えなかったけれど
その日の夕方
姉から
ベッド使ってくれたよと
写真をもらいました
お尻の毛が汚れていたので
お湯で濡らしたタオルで
綺麗に拭いてあげて
毛が濡れていると寒いから
フリースを掛けてあげたと
書かれてありました
その日の音妓ちゃんは
ご飯はほとんど食べず
白く濁った
ヨダレと目やにがひどかったそうです
今朝
姉からラインが来ました
2週間前のあの日から
音妓ちゃんが来ていないと
どうしてあの日
無理にでも家にいれなかったのかと
姉は自分を責めていました
姉からのラインを読み返し
音妓ちゃんの今までを思えば思うほど
涙が溢れます
音妓ちゃんには
本当の名前と
本当のおうちがあるのです
けれど
おうちから締め出され
帰りたくても入れてもらえず
姉を頼るしかなかった
今頃
どこでどうしているの?
外はこんなに寒いのに
ひとりぼっちで…
音妓ちゃん
力になってあげられなくて
ごめんね
どうかどこかで無事でいて
もう一度
いつもの様に
走って来て欲しい
毎朝毎晩
姉と甥っ子も音妓ちゃんを
待っています
その思いが
叶う日が来ますように






