今年1月に父が他界し
母は
ひとりぼっちになった
父の新盆に
たくさんの方々が
父を偲んで来てくださった
母は
思い出話しに
泣いたり笑ったり
父のお帰りの日には
送り火を炊き
きゅうりの馬とナスの牛
父を送り出した朝
母は
何を想ったのだろう
お盆も終わり
1日ごとに
日暮れの時間が早くなってゆく
夕暮れ時が寂しいのだと
母が言った
ひとりぼっちは
寂しいし心細いに違いないと
分かってはいたけれど
母が独り言のように言った
寂しいのひと言が
どうにも頭から離れずにいる
姉の家に来ている黒猫ちゃんに
会って来ました
姉に懐いていると
聞いてはいたけれど
同居している姉の息子にも
帰省していた姉の娘にも
すごく懐いていて
驚いた
私が送った抗生剤5日分を飲みきり
こんな鼻水だった黒猫ちゃんは
元気そうに
くつろいでいた
甥っ子が特に可愛がっていて
家に入れたいと
言っていた
黒猫ちゃんは
飼い主さんから追い出された身
それでもまだ
飼い猫と言えるのだろうか
ご飯もあげず
ダニがついても
鼻水が出ても放ったらかし
それでもまだ
飼い主と言えるのだろうか
寒くなったら
黒猫ちゃんハウスを作る
と
とはりきっている甥っ子
黒猫ちゃん
去年の冬は姿を見せなかったらしい
冬は家に入れてもらえるのかな
家に入れる時期入れない時期
いったい
基準は何なんだ⁈
こういう飼い主さんに限って
うちの猫に何さらしとるんじゃわれぇ
とか
言いそうな気がする
あっ
姉の家は茨城県水戸市でした
言われるとしたらおそらく
うちの猫だっぺよ
勝手にエサなんかやってんじゃねえ
かもしれない
人間だって死んでしまう程の
この異常な暑さ
見るからに痩せている黒猫ちゃんは
夏を乗り切る事が出来るのか
何を想って
姉の家にやってくるのかな
そりゃあお腹も空くと思うけど
きっとそれだけじゃない
優しい想いに
包まれたいって
ほんのひと時でも
無防備になれたらって
思うよね
生きてるんだから
食べてるはずなのに
痩せてるのが気になった
イヤでも
うちの庭に来ていた
クロちゃんの事を
思い出す
人間の勝手な都合で
振り回されるのは
もうイヤだよね
ごめんね
黒猫ちゃん
せめて
お腹いっぱい
ご飯を食べていってください
黒猫ちゃん
また逢う日まで





