気持ちを強く
どんな時もクロちゃんに
寄り添う
ありったけの覚悟を持って
そう決めたつもりでした
だけど
それぐらいの覚悟じゃ
到底寄り添う事なんか出来ない事を
思い知らされました
日曜日
クロちゃんのお薬をいただきに
病院へ
抗がん剤としての効果も期待出来る
鎮痛剤を出してくださいました
ご飯が食べれていないので
多分飲めないかもしれないないけれど
クロちゃんには
もうこのお薬を飲む事以外
治療の方法はないと言われました
そして
クロちゃんの口の中の扁平上皮がんは
ステージ4と
告げられました
日曜日の朝のクロちゃん
まぶたも腫れてきていました
元気もなく辛そうなのに
名前を呼んで話しかけると
ちっちゃなかわいい声で
必ず返事をしてくれました
その日の夜
私がいつも寝ているお布団の上で
寝ていたクロちゃん
一緒に寝ようと近づくと
逃げてしまうため
私は隣の部屋で就寝
そして
翌朝
台風怖かったねと
声をかけながら部屋に入った私は
目の前の
にわかには信じ難い光景に
一瞬声を失いました
部屋は
一面血の海でした
私のお布団はもちろん
クロちゃんのベッドのお布団も
血に染まり
壁には血が飛び散り
床にもおびただしい量の血が
自分のベッドで
うずくまるクロちゃんの顔からは
血が流れていました
白くて長いヒゲも
赤く染まっていました
皮膚が破れたというより
破裂してしまったかの様でした
痛みでじっとしていられず
あちこち動き回ったのかと思ったら
何度も何度も首を振ったのかと思ったら
苦しくて苦し過ぎて
息が出来なくなりました
先生から言われた
口の癌は
猫にとっても飼い主さんにとっても
かなり辛い癌ですという言葉は
こういうことかと
思い知る
また皮膚が破れると思うと
言われていたけれど
心の準備が
出来ていなかった
まだ動き回る体力はある
今朝も窓の外を見たりしていた
でも、鳴いた時
口から血がしたたり落ちた
今日で4日食べてない
泣き喚いても
何も変わらないのに
涙は後から後から流れてくる
やっぱり
クロちゃんの前でも
泣いてしまうダメな私
これが運命なのだと
諦めるしかないなんて悲しすぎる
そんな往生際の悪い私を
いつも冷めた目で見ているクロちゃん
クロちゃんは強いね
一緒に頑張るから
呆れて見放さないでね
明日はお休みだから
ずっと一緒に
いさせてね

