パリ五輪が始まりました。メディアが徐々に盛り上げていた日本と違って米国ではその他のニュースに圧倒され、注目度も今一つ。あれ、もう始まったの、て感じなのですが、真夏のこの酷暑の時期に屋外スポーツは厳しいだろうな、暑さ苦手な選手もいるだろうに。毎回ながら米国TVネットワークの金力と五輪委の強欲で(他の米国の人気スポーツとの視聴率競合を避けるため、つまり選手のためではなくお金の都合で)決まっているこのタイミングにもやっとしたものを感じています。
さて、開会式前の五輪関連ニュースを霞めてしまった米国のニュースの筆頭が大統領選のバイデン撤退のニュースです。3月下旬の投稿ではバイデン vs トランプの高齢候補者決戦でほぼ固まったかに見えた構図が一気に動き始めたきっかけは両候補者のテレビ討論会でした。
米国の大統領選では毎回二大政党の候補者によるテレビ討論会が3回程行われ、選挙戦の行方に大きな影響を与えます。今回は第1回が6月末にあったわけですが、ここでのバイデンのパフォーマンスが決定的にまずく、「バイデンは大統領職には高齢すぎ」という印象が一気に強まってしまいました。
さらにトランプに追い風に働いた遊説中の銃撃事件、それに続いた共和党の(候補者を正式に決める)党大会――候補者正式決定の党大会は両党のもの共に毎回ど派手にテレビ視聴者向けに演出されていますーーでトランプ陣営はもともと優勢に進めていた選挙戦を盤石のものにした感がありました。民主党側は有力者も支持者もここにきて悲鳴を上げ、党内からのバイデンに身を引いてほしいとの声が圧倒的になってしまったわけです。
しかし11月の本選まで3か月半ちょっとの時点で現職大統領が大統領選から身を引くというのは前代未聞。21日のバイデンの撤退発表以来、パリ五輪関連も含めてそれ以外のニュースはどこかへふっとんでしまったわけですね。じゃ誰が候補?どうやって決める?8月下旬の民主党党大会までに間に合う?副大統領候補は?
これを書いてる時点で撤退表明から6日間経ってますが、この間の動きはめまぐるしいものがありました。後継候補はハリス副大統領でかなりの短期間に民主党は結集した感じです。2020年の民主党予備選では今一つの人気で早々と脱落し、今までのバイデン任期中も何やってたの、という感じで影が薄かった副大統領ですが、民主党としては他の選択肢はなかったようです。
トランプ陣営としては今までお金をつぎ込んでバイデン攻撃をしていたのが「無駄になった」、ハリス副大統領はトランプよりずっと若いので(バイデンは老齢過ぎとの)恰好の攻撃材料が使えなくなったとあって歓迎ムードではありませんが、さっそく攻撃の矛先をハリスに向け始めました。世論調査ではトランプ圧勝ムードから変化が表れているようですが後3か月でどこまでハリスが巻き返せるでしょうか。
五輪が終わる8月中旬から民主党の党大会の頃にはまたこの大統領選関連のニュースで埋め尽くされそうです。ハリスが勝てば米国史上初の女性大統領ということで意義は大きいのですが、私はそれ以前に勝てる候補であってほしいと願っています。トランプに共和党が乗っ取られた大きな理由のひとつは右翼メディアの台頭だと私は思っていますが、これはまた別の機会に触れたいと思います。
私が米国に住み始めてから10回目の大統領選になりますが、トランプ出現までの7回はこんなに結果を恐れることはありませんでした。共和党候補であっても民主主義を破壊し強権主義志向を隠そうとしないトランプのような候補はいませんでした。怖い時代になってしまいました。