さて、今年2024年はご存じのとおり4年に一度の米大統領選の年。毎回(コロナ禍で延期になった前回を除いて)夏季オリンピックの年の11月が大統領選本選です。米国では共和党、民主党の二大政党体制がずっと続いており、その他の党の候補が大統領に選出される可能性は当面なさそうなので11月の本選はこの両党の候補者の一騎打ち。

 

年初から始まった予備選は各党の代表候補者を選ぶ選挙ですが、各州予備選の選挙日が異なっているので1月から6月まで州ごとにばらばらと続きます。ただ注目されるのは1月、2月の序盤の州の結果だけで、多くの場合大勢は3月頭のスーパーテューズデーまでに決してしまいます。4月以降に予備選を行う州の有権者には不公平感が。そのとおり不公平だと私は思いますが、毎回そうなのです。予備選のスケジュールは概ね毎回同じ順番。遅い州はいつも遅いのでそういった州の有権者は予備選に参加できているとは思えないでしょうね。

 

今年も3月5日のスーパーテューズデーの結果後、共和党でトランプ元大統領の唯一の対抗馬だったヘイリー元国連大使が撤退し、続投を決めていた民主党のバイデン大統領とともに11月の本選に臨む形がほぼ確定しました。二人ともかなりの高齢でそれぞれに不人気なのですが。

 

このブログでもたびたび米国の分断について言及しましたが、この「分断」の大きな特徴に地域差が大きいことがあります。有権者の人種、学歴、年齢、性別などの差は当然あるのですが、それだけでは到底説明しきれない地域差ですね。民主党の強い州はBlue State、共和党が強い州はRed State、どちらに転ぶかわからない接戦州はSwing Stateと呼ばれています。

 

出典:270towin.com)

 

上記の図は複数の予想をもとに現時点での各州の今年の状況を表示したものです。濃い青が民主党確実な州、濃い赤が共和党確実な州、ベージュがSwing Stateというわけです。Blue Stateは西海岸と北東部、Red State は南部から中西部に広がっています。LGBTQに関して北東部や西海岸が寛容、南部は厳しい、というのはこれからもわかります。特に青の強い州はバーモント、ハワイ、マサチューセッツなど。赤の牙城はアラバマ、ミシシッピ、テネシーなどですね。ぱっと見地図では面積で共和党の赤が優勢に見えますが、人口密集地は北東部と西海岸。票数としてはわずかながら民主党が優勢のようです。

 

でも米大統領選は単純に票が多いほうが勝利するわけではありません。この選挙実は間接選挙。各州ごとに勝った方が選挙人を割り当てられ、その選挙人の数の多いほうが最終的に当選するというしくみです。選挙人の数は概ね人口に比例していますがややぶれがある上、割り当て方法は勝った方全どりの州がほとんどのため、総得票数では接戦でも獲得選挙人数では大きく差が付くことはよくあります。上記の地図で州名の下の数字が選挙人数です。カリフォルニア(54)、テキサス(40)、フロリダ(30)、ニューヨーク(28)などが大きな州、大票田というわけです。接戦でも勝てば全どりなので。

 

まだ7ヵ月先の話ですが、この予想では共和党、つまりトランプが優勢のようです。11月の実際の選挙での注目はベージュのSwing State。ペンシルバニア、ジョージア、ミシガン等の州の動向にかかってくるわけですがその結果が帰趨を決することになりそうです。

 

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