先週はトランスジェンダーの性自認、特に私のような場合――トランス女性で恋愛対象が女性の場合のお話をしました。さて、前にも述べましたがこちら(米国)ではトランスジェンダーの定義は「自認する性別と出生時に判断された性別が異なっていること」であり、現時点で性別移行プロセスのどこに位置しているかは関係ありません。ということはつまり性別移行をしない決断をした人も、自認する性別と出生時の性別が異なっている場合はトランスジェンダーであるということになります。

 

ちょっと待って、それ困るんじゃないの、そしたら女性専用スペースに「男性」(性別移行を全くしていないトランス女性)が侵入して……というお決まりの反トランス宣伝に火に油を注ぐ結果になるのではという危惧はわかります。私はトランス女性の女性専用スペースの利用にはある程度の性別移行は必須であると考えています。ただ性別移行の進行度・程度はパス度で判断されるべきではないというのも強調しておかなくてはなりません。そしていろいろな女性専用スペースでそれぞれ目的によって必要な移行進行程度が異なるとも思っています。

 

この炎上必至の女性専用スペースの問題は今回の投稿の趣旨ではないのでこの辺にしときますが、今回は性別違和に苦しんでいるのになぜ性別移行しないんだろう、というお話です。理由はもちろん個々人のケースで異なりますし、いずれの理由にせよそれは尊重されるべきなのですが、移行に関しての決断の大きな要因は性別違和の強さ、それから個々人の置かれた環境――家族、仕事、友人関係、そして社会的な許容度だろうと思います。

 

本来ならば性別違和の強さ(苦しさ)でどの程度、どこまでの性別移行が自分に合っているのか決められるのが理想です。でも実際には、少なくとも今の社会ではそうはいかない場合がほとんど。特に仕事に影響するかもしれない不安、結婚している場合に家族を失うかもしれない不安は大きいです。また社会的な許容度、というのはパス度で大きく異なってきます。トランス女性でパス度が高くない場合は特に生きづらいですから。

 

配偶者に関しては夫婦間の問題なのでどうしようもありません。友人関係は新しい関係を築くことが可能です。でも社会に受け入れられないから(移行できない)というのは変えていかなくてばなりません。以前の投稿でも述べましたが、トランスジェンダーでも特にパス度の高くないトランス女性に対して社会が寛容になっていくことを願っています。性別移行すると仕事に、キャリアに影響が出るからとか、パス度が高くないので憎悪と好奇の目の晒されて生きづらくなるから移行を諦める、なんてことが減っていきますように。

 

トランス女性の場合、ざっくり言えば20代以降は年齢が上がるにつれて性別移行は難しくなっていきます。身体的にも社会的にも。恋愛対象が女性のトランス女性の場合、自分が女性であることに気づき、そして自身がそれを受け入れられるまで長い年月がかかった人が私以外にもいるはずです。そういう人達に特にエールを送ります。もちろん性別違和に苦しむ全ての人とサポーティブな家族・友人にもエールを送ります。私のブログが参考になれば幸いです。
 

ブログ開始して3年経ちました。読んでいただきありがとうございます。

 

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