米主要メディアによると、米国戦争省(ご存じでしたか?トランプが改名するまでは国防総省と呼ばれていました)は戦艦を復活させトランプ級と名付けると発表しました。うわ……なんとまた○○なことを。今どき戦艦?戦艦が世界で80年近く建造されていないのには理由があるわけですし、米国海軍の艦艇に人名をつけるのはその人物が退任したあと後世の人たちが功績を称えて、というのが通例です。自分の名前で命名なんて。
ざっと諸元を見てみましたが、全長、全幅の割に排水量はそれほど大きくない?もちろん排水量が設計を詰めていくうちに増加するのはよくあることですが、艦上構造物も巡洋艦っぽいという議論がでてきそう。一回り小さくしてもし巡洋艦ということならまだ少しは現実味あるけど。そもそも米海軍の戦艦は人名ではなく州名をつけるのが慣例だし。
トランプは強大な軍事力を持つ国に対しては徹底的に摩擦回避、怒りを買わないようにします。中国、ロシアにいかにへこへこしているかは皆さんご存じのとおり。一方で軍事的に優位に立っているその他の国に対しては同盟国であれど威嚇、恫喝を厭いません。軍事的に「ごみのような国」に対しては実際の武力行使で屈服させます。大義も正義も国際法もまったく無視、まさに第2次世界大戦以前の軍事力がすべてという考え方。米国は軍事超大国のロシア、中国と直接の戦闘をすることはない――大まかにいえば欧州はロシアが好きにすればよい、アジアは中国が好きにすればよい、でも南北アメリカは米国の支配地域なのでロシア、中国には干渉させない、という帝国主義的「すみ分け」がトランプの目指す理想の「平和」だというのが私の見方です。
強力な敵と戦闘することは想定していないので、重要なのは兵器システムとしての実際の有用性よりそれが象徴的な存在として中露以外の国に対して威嚇、恫喝に使えること。このトランプ級戦艦はその「見せびらかすだけで使わない」兵器としての真骨頂。艦体外側全体に金箔でも貼ったらどうでしょう?潜水艦のように隠密性が最大の武器だといくら戦力として強力であっても意味がない、見映えのいいカッコいい戦闘機、水上艦が欲しいというのがトランプの要求です。外見デザインにも自ら口出しをすると宣言したそうで、あくまで見てくれ最優先。
この「提案」をまとめた海軍のチームがトランプのエゴにつきあってご機嫌取りでやっていることを祈ります。提案、構想だけで立ち消えになる兵器システムは多数あるので。とりあえずトランプ任期中だけこの「提案」を生かしておいて任期後にキャンセルすればいい、と冷静に構えていてほしいです。それだけの資金をもし投入するならば長射程ミサイル搭載潜水艦(弾道ミサイル原潜ではありません)を増備した方が戦力的には費用対効果が高いと思いますが。
日本も防衛費が増大するようですが、増やすのであれば使い道は徹底的に議論、吟味してほしいです。高価で有事の際真っ先に標的になるようなきらびやかなシステム、装備より地味な改善、例えば生存性・残存性の高い防空システム、施設の修復能力改善、安価で多数保有できる費用対効果の高い装備などが必要なように見受けられます。トランプが進めるような愚策に陥らないことを願います。
米国に戻ってからは最高気温が氷点下の日も多く、いつものことですが暖かかった東京から戻るとすぐには慣れません。寒さには強いほうなのですが、以前より弱くなってきたのかも。歳のせいかな?
日常に忙殺されているうちに年の瀬になりました。今年も私のブログを読んでいただきありがとうございます。皆様よいお年をお迎えください。
