2年前の夏。その前年(2020年)はコロナ禍で実現しなかった西海岸への帰省で私達は義父母宅に滞在していました。その2年前には義両親へのカミングアウトも済んでいたので(1月13日の投稿参照)滞在の3割くらい女性として過ごしました。まだ女性の私に慣れていないはずの義両親には前もってこの日とこの日は女性でいきますね、と(「予定」を)伝えておいて。まだカミングアウトしていない妻の友人、義叔母などと会う日もあるので「予定」は結構かっちり決まっていました。

 

その日は前日から目に異物感があったのですが、女性として過ごす日。ちょっとずつ慣れてきたメークも終わってこういう日があることに感謝。受け入れてくれた家族と義父母に感謝。でも目の異物感は徐々に強まってきます。この時点で埃かなんかが目に入ったことは明らかでしたが、こういうことはよくあることだしそのうち涙で流れるだろうと涙目薬(人口涙液)たっぷりで対処。

 

でもそううまくは行きませんでした。昼過ぎには痛みはかなりひどくなり、目薬でもだめ、目を水で洗い流してもだめ。耐えきれず結局近辺で私達の医療保険が有効の眼科医を探して駆け込むことに。男装に戻ってから行くこともちらっと考えたのですが、とにかく痛いしせっかく女性として過ごせる日なので今更無駄にしたくない、なんて浅はかな考えで慌てて眼科医院へ。

 

こんな目で運転はだめ。ということで土地勘もある妻が運転。もちろん初めての医院なのでまず窓口で患者登録をしなければなりません。ここでやっと気が付く間抜けぶりですが、登録には医療保険カードだけではなく身分証明書(ID)が必要。日本人の名前はほとんどの米国人には性別判別できませんが、私のIDは免許証。性別も写真もしっかり法律上の性別、男性で記載。というかそれがないとIDとは見なされないわけですが。

 

違法駐車で警察に注意された時(昨年12月の投稿参照)と同じでIDを提示しなくてはならない時は必ず同じシチュエーションに直面するわけですが、今回は警察の注意の時と違ってID提示は必須。ま…まずい… 法律上男性、というのがもろバレする… でももうどうしようもありません。もしかしたら性別欄なんて見ないかも、と運を天に任せる気持ちで恐る恐る免許証を窓口で提出。窓口の女性スタッフはそれを受け取ってPCの画面に入力。免許証のスキャンが終わったところで打ち込む手がピタッと止まって画面を凝視。性別欄に気が付いたのはあまりにも明白でした。

 

ああああ、こういうのはアウティングじゃないよね。自分でID差し出してるんだから。このひとどういう思いで画面見てるんだろう。恐らく数秒間だけどそれよりずっと長く感じた気まずい沈黙の後、そのスタッフは私の誕生日を確認して何事もなかったように普通に、じゃあそちらでお待ちください、とさらっと一言。

 

そして案内された診察室で医者と看護師に状況を説明し、医者は機材で私の目をチェック。すぐに異物を見つけ取り除いてくれました。うそのように引いていく痛みにほっとしましたが、トランスであることを意識している素振りは全くなし。さすが医療機関、しっかりしてます。バレてどうの、なんて心配無用、取り越し苦労でした。

 

行く先々でいつもこうとは限りませんのでそのうち嫌な思いをすることもあると思います。でも医院にしろ、レストランにしろ、小売り店舗にしろ、私のようなトランスと対応の経験を積むにつれて大ごとではなくなってくるんだと思います。いずれ社会の多数派が、わ―あの人トランスジェンダーだ、キモー!なんて後ろ指を差さなくなる日が来ますように。

 

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