先週は地元のB病院でのSRSへ向けての初診の時のお話でした。ここで20年近く前の手術の記録をこれも地元の(その手術を受けた)T病院から入手することになったわけですが、具体的な書類の内容等細かい点があるので書類の入手手続きはB病院がやってくれることに。私はリリースフォーム(情報開示の同意書)等に署名してB病院からの報告を待つだけとなりました。
そして3週間弱後。第1志望のN病院の初診の日がやってきました。N病院は同じ東海岸でも別な都市圏にあり、ちょっと日帰りは難しい距離。東アジアや欧州のように高速鉄道が発達していれば日帰りも十分可能な距離なんだけど仕方がありません。因みに米国北東部の大都市圏はAcela という「高速」鉄道で結ばれています。最高速度240km/hrというのは確かに十分高速鉄道と言えるのですが、軌道は在来線のものほぼそのまま。特に大都市圏近郊では線形が悪い上隣接路線との空間的余裕、ダイヤの余裕もなく高速運転なんて到底無理、当然スピードは大幅ダウン。最高速度を出せるのは一部区間に限られており、時間的なメリットはいまいち。その分ファーストクラス、ビジネスクラスの快適なゆったり座席でビジネス客には人気がありますが、値段はバスの数倍、航空機よりもずっと割高です。自腹を切るのはちょっと贅沢する余裕がある時でないとだめかもしれません。
実は私、30年以上も前にその街には3年程住んでいました。カミングアウト済みの親友もいるのでそこに一泊泊めてもらう手はずになっています。往復は割安で窮屈な座席の高速バスで。初診のアポの時間は昼前なので前日昼過ぎに出発、翌日初診が済んだらその日の午後にまた高速バスで帰宅という予定です。
米国としては決して遠い街ではないのですが、数年ぶりの再訪。バスならではの渋滞にうんざりしながら夕方やっと到着すると地下鉄で友人宅へ向かいます。その日は夕食と友人との再会でゆっくり過ごして、翌日いよいよ初診日です。アポ後はN病院から直接帰りのバスターミナルへ向かうので友人には快く泊めてもらったお礼を言って出発。夏至直前ですが暑すぎない気温は助かりました。
地元のB病院は都心からやや離れたところにあるキャンパスでしたが、このN病院は都心どまんなかのビル。雑踏も人の多さが全然違います。明らかにLGBTQっぽい人達も歩いているのはさすが都心。感慨に浸りながら街を歩き、余裕をもって目的地についたはず…なのにN病院らしき建物は見当たりません。私はかなり方向感覚はあるほうなのですが、変だなあ。
アポ時間15分前になってもスマホで行先を確認するなんて必要ない、なんて過信していた私ですが、仕方なく地図アプリをチェック。すると…あ、やばっ!目ざしていた住所には間違いないんだけどN病院の住所(数字部分)自体を覚え間違っていた。3ブロックずれてる! というわけでN病院のジェンダーケア部門受付に着いたときはアポの5分前。あいかわらずの私です。
小ぎれいでモダンな待合室には2,3人先客がいましたが、全てトランスジェンダー(たぶん)、それもMTFでした。小心者の私はもちろん話しかけるなんてできません。それより携帯のWiFiをセットして、医師への質問等を頭の中で整理。ほどなくして私の名前(英語の女性名のファーストネームです)が呼ばれ、診察室へ向かいました。いつも通り看護師の既往症・病歴、摂取中の薬の質問、そして血圧・体温などのバイタルサイン(日本語で何ていうんでしょう?)が終わってしばらくすると形成外科医のR先生と泌尿器科医のZ先生が診察室に登場。いずれもこの分野(SRS)では有名人です。
次回に続きます。
Cover Photo by Jose Losada on Unsplash
(カバー写真はイメージです)