日本では食料品の消費税を一時的に(2年間)1%にする方向で進められているようです。以前述べた通り私は食料品の消費税は恒久的に廃止すべきとの考えですが、一時的に1%でもやらないよりはましでしょう。でも争点になった昨年の選挙の時からそうですが、野党側から、そして主要メディアからも反対・慎重論が目立つような気がします。消費税を削減するとインフレが進んで物価高になる、だから意味がない、という趣旨のようですが、本当にそうでしょうか。
今インフレが進んで物価高になっている最大要因は円安。財政赤字が膨らむと円安が更に進行する、消費税を削減すると財政赤字が増える――つまり消費税削減→財政赤字拡大→円安進行→物価高進行――反対論はそういう論理のようです。消費税削減が直接物価高を引き起こすわけではありません。私は何十年も前からどちらかというと財政規律派なので、(これも以前述べましたが)減税する場合は代替財源をきっちり確保すべきだと思っています。私の代替財源案はずばり、富裕層への増税です。
私は国民間の富の格差が社会に引き起こすコストが過小評価されていると思っています。日本より海外のほうが酷いのですが、日本の格差拡大にも危機感を持っています。一番海外を見習ってほしくないところです。だから逆累進性の強い消費税には反対なのですが、消費税が導入されたのはバブルのころ。実は私が日本を飛び出した後でした。生まれたときから消費税があって当たり前の若い世代の皆さんには信じられないかもしれませんが、私が日本に住んでいた頃は消費税はなかったのです。それで一応ちゃんと世の中まわっていたのです。
消費税は当初の3%からじわじわ国民を慣らすように上がっていったのに比べ、高額所得者の所得税が80年代後半からどう変化したか皆さんご存じですか?所得税の最高税率、つまり一番の高額所得帯の税率は1980年には75%でした。これがその後30年以上かけて徐々に下げられ、現在は37%?こんなに長期間にわたって金持ち優遇政策を続けられた理由はちょっとわかりませんが、ものすごい違い!
75% なんて高すぎる?私は年間所得で数億円を超える部分についてはこのくらいでもいいと思っています。もちろん意見の相違はあると思いますが、一生懸命働いた結果、才能や努力の違いがあっても50倍も収入が違うというのは私には正当化できません。もちろん最高所得税率75%でも手取りで5億円超える人たちは意外にいると思いますが。格差社会の進行に関しては十何年も前からメディアで取り上げられていたように思いますが、所得税の累進性を強めて超高額所得者への課税を増やすという機運はあまり聞きません。聞いてないのは私だけかな?
超高額所得者への増税の反対理由は高所得者が海外へ流出する、優秀な人材が海外へ流出する、勤労意欲が下がる、などと言われているようですが、説得力がありません。どのあたりの高所得者帯の税率を上げるかによってだいぶ変わってくると思いますが、私は最高税率はもっと上げるべきだと思っています。それに所得税節税を目的に海外流出するような超高額所得者でなくても優秀な人材はたくさんいます。人材流出を抑制したいなら治安のいい、より住みやすい国にするほうが先決ではないでしょうか。夏の暑さはどうしようもありませんが、それ以外の面では日本は住みやすい国だと思いますよ。食べ物おいしいし。
誰にも人材とは思われてませんが、私は流出してしまった立場なので大きなことは言えないかな。(でももちろん渡米したのは税金のせいではありません)