前回の投稿の付け足しですが、背中ファスナーに手が届かない理由は柔軟性だけではありません。腕の長さ、そして特にトランス女性には不利なのですが――肩幅も影響します。私のように手足が短く肩幅胸幅が広い体形だと厳しいものがある、ということですね。これは骨格のせいなので第二次性徴完成以前にHRTを開始していないとどうしようもありません。もちろん55歳から移行を開始した私にとって男性的骨格というのは背中ファスナー以前にパス度という面で遥かに深刻ですが。

 

ちなみにこちらでワンピに相当する英語は「dress」です。「one-piece」ではほぼ通じません。ドレスっていうと日本語だとちょっとフォーマルなイメージがありますが、こちらではカジュアルなワンピもみんな dress です。スカート丈が長い一番フォーマルなタイプの(憧れてるだけで私には縁のない)ドレスは「gown」と呼んだりします。「evening gown」とか「wedding gown」で画像検索すればどどっと出てくるはず。日本語でガウンというと全然別なイメージがあるのはちょっとおもしろいですね。

 

さて、話は変わりますが米国では午後11時以降、深夜帯のテレビ番組はトークショーが人気です。発祥は50年代だそうですが、80年代にはすでに主要ネットワークそれぞれでかなりの視聴率をとっており、今世紀にはいると政治的な風刺をたっぷり効かせたものが人気になりました。トークショーのホストはいずれも切れ者コメディアン。深夜帯ということもあり18禁気味の毒舌コメントも連発の小気味のいい番組です。

 

政治的な風刺が多く、大統領を始めとする政治家や富豪は恰好の笑いの対象になるのですが、それまでのまともな大統領、有力政治家と違ってトランプは突っ込みどころあり過ぎ。というか言うことなすこと全てにおいて第二次大戦以前の考え方なので、至上最高傑作の標的になってしまいました。ジミー・キンメル(ABC)、スティーブン・コルベア(CBS)、セス・マイヤーズ(NBC)などの人気トークショーホストにとってトランプはまさに笑いのネタの宝庫。

 

それまでの大統領ならしょうがないな、で笑って済ませていたレベルですが、一段ギアの上がった揶揄とトランプ自身の強烈なエゴは当然ながら共存できません。トランプはことあるごとにコメディアンであるトークショーホストを非難、徹底的にけなします。そしてついにこいつらクビにしろ、さもなくば(連邦政府の権限である放送業界への規制をとおして)経営に圧力をかける、とネットワーク(番組制作局、あるいはその親会社)に脅しをかけました。信じられますか?残念ながらこの脅しに屈してABC のキンメルは(一時的でしたが)降板させられ、CBSのコルベアに至っては33年続いた人気番組が終了するというとんでもない結果に。

 

自分に批判的なトークショーホストをクビにしなければ経営を困難にさせると大統領が脅し、人気番組を終了させる――米国の民主主義は既にここまで堕ちているのです。デマによるLGBTQ・移民攻撃、自分に都合のいい陰謀論は「言論の自由」をかざして野放しにする一方で、自分への批判はこのとおり。今の米国は以前の米国ではなく、むしろ中露の体制に近くなってきているということです。トランプが中露に媚びへつらうのもわかりますね。本当に残念。

 

日本では冗談でも政権に批判的なコメントするトークショーなんてないのでは?今はあるのかな?でもジョークで笑いをとるための番組が首相批判したことを理由に政府によって終了させられるなんて事態になりませんように。

 

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