米国とイスラエルが昨年に続いてイランへの攻撃を開始しました。トランプは「イランの差し迫った脅威を排除し米国民を守る、イランの核兵器開発を阻止するのが目的」などと述べていますが、もちろん本当の目的はイランの体制転覆です。そもそもイランの核兵器開発能力を昨年6月の米・イスラエルによる12日間戦争で「完膚なきまで破壊した」と宣伝したのはトランプ自身。イラン政権よりひどい恐怖政治体制でしかも核兵器、長距離弾道ミサイルの開発でイランより遥かに先行している北朝鮮に対しては、非難どころか金正雲と「ウマが合う」「信頼できる」などと関係良好をアピール。とにかく民主化や核不拡散には興味がないのです。
昨年の12日間戦争の時にも明らかになりましたが中東の米軍基地やイスラエルに対するイランの反撃能力は今回の戦争以前から限定的になっており、今回も初日から米軍の主要攻撃目標になっているでしょうから(イラン政府の勇ましい発表とは裏腹に)もはや効果を上げるほどの戦力を有していないように見受けられます。空爆が数日も続けばイランは長距離攻撃能力どころか防空能力もかなり削がれることになるでしょう。
ただ上で述べたようにトランプの目的は政権転覆。最高指導者のハメネイ師をはじめ高官が相当数死傷したと報道されてますが、これだけでは政権転覆は起こりません。現政権を倒すとなると――イランが降伏しない限り――多数のイランの国民が蜂起しなければ(あるいはクーデターが起きなければ)どうにもならないわけですが、イラン地上軍は武力で民衆を圧倒できますし、子供たちまで殺害された米軍の空爆に乗じての反政府運動にどのくらいイラン国民の支持が集まるのか私は疑問視しています。
もし空爆が終了しても政権転覆の機運が盛り上がらなかったとしたらトランプの次の手はさらにエスカレートするかもしれません。何度も書いていますがこんな人物を40%近い米国民が未だに支持している事実には愕然としています。この岩盤支持層がトランプの暴虐の源ですね。
プーチンは自身への批判を厳しく取り締まり暗殺などの非合法手段を多用する恐怖政治で言論統制をおこなっているわけですが、トランプも自身に批判的な議員、知事、判事、メディアへの攻撃、統制を強めています。この状態が長く続けば続くほど米国はロシア化していくわけですが、こんな心配をすることになるなんてオバマ政権時代までは全く考えもしませんでした。これも以前述べましたが、有権者の情報源が分断されていることが民主主義体制を揺るがしているように私には思えます。極右ポピュリズムはネットのショートビデオと相性が良かったということも言えるかもしれません。
前回の投稿で触れましたが、今回はトランプ関税について投稿するつもりである程度下書きも終えていました。でも米国・イスラエルのイラン攻撃でそちらの題材を優先しました。トランプ関税についてはいずれまた投稿する機会があると思います。