以前ちらっと触れましたが私が唯一身体を動かすのはマウンテンバイク(MTB)に乗るとき。いつも近くの自然保護区の中のトレイルを走るのですが、冬期は雪と氷でそれなりの装備が必要、そして私は蚊に刺されるとめちゃめちゃ腫れて痒みが2週間続くので夏もアウト。(アレルギーのようです。ちなみに私はこちらで「mosquito magnet」と呼ばれています。) 4-5月と9-10月の天気の良い週末に都合がつけば、という程度なので普通は年に数回。今年はたまたま天候に恵まれたので十回以上。ラッキーでした。
この自然保護区にはちょっとした湖があり、その一つを囲むように1周10㎞ちょっとのトレイルがMTBループとして指定されています。シングルトラックのテクニカルなセクションも適度に組み込まれていて私にはちょうどいいコースなので、昔からこのループを走ってました。が、ここ数年の身体の衰えにはほんとがっかり。30代のころはこのループをノンストップで最低2周、気が向いたときは3周することもあり、毎回1周ごとのラップをとっていたのですが…
自然保護区内の湖
40代に入ってすぐの病気のあとは回復しても毎回1周が定着。それでも一応余裕でノンストップだったのですが、アラフィフのころからタイムが目立って落ちてきました。HRTを始める少し前(8-9年?前)にはコースの一部が変更になり、新しい部分のシングルトラックのマーキングが(トレイルが複雑に枝分かれしているのにもかかわらず)全く不親切なため、毎回そのあたりで迷子に。ほんとに迷子になるんではなくMTBループからはずれてしまうだけですが、タイムを計る意味はなくなってしまいました。ループに復帰するまでの時間が毎回ランダムなので。
筋力が落ちてきたのを実感したHRT開始後にはMTBループの一部、南西部だけを走ってあとは広くて比較的平坦なトレイルを回って戻ってくる私独自のミニループになりました。年齢をわきまえたって感じかな。ところが衰えはそこで止まりません。今から考えると間違いなく貧血症のせいなのですが、アラ還になってからはこの一部のMTBループに三つあるクライミングセクションの間でいちいち休憩せざるを得ないほどに。数年前まで全く平気でとばしていた登りで完全に息が上がってしまうのはかなりの敗北感。貧血症ってこのスポーツには半端ない影響があります。全力でないつもりなのに30秒ちょっとのクライムでもう後が続かないなんて。
先日も例によって最後の一番きついクライムの前で降りて恥を忍びながら一息入れていたところ、後から登って来たバイカーが私の前を通過。そこからちょっと下った先が難関のテクニカルクライムですが、私はお手並み拝見とばかり彼のクライムを見ていました。ところが……あれれ?信じられないほどすいすい登っていく?私の30代のころより早いかも?そんなばかな。その時になってやっと気が付いたそのバイクの赤い小さなライト。え、あれって電動?…マウンテンバイク?そういえば目の前を通るときのかすかな音はモーターだったような。そんなものがあるの?
初めて見ました。家に帰ってからちょっと調べたら今どき電動MTBなんてたくさんあるようです。モーターの有無も知らないとぱっと見わからないデザイン。舗装道路用の電動自転車は最近こちらですごく増えていて、車を運転するときにはーー中途半端なスピードなのでーー戸惑うことが多いのですが、電動マウンテンバイクとは。全然知らなかった。でもそれってちょっと…ありなの? なんかもやもやしています。難関のテクニカルクライムでストールしなかった時の達成感は脚力とテクニックを兼ね備えた人の特権、という時代ではなくなったのかもしれません。
でも一旦電動MTBに慣れてしまったらもう昔ながらの人力MTB には戻れない?もしかしたらいずれ公式競技にも電動MTB 部門ができる?オリンピックにも?
私たちの世代はマニュアルシフトで自動車免許を取った人がほとんどと思いますが、もう米国ではほとんどAT車ばかり。電動MTB も普及したらAT車と同じように「主流」になるのかもしれません。
