前回の投稿でSRS後初めて温泉に入ったお話をしました。友人は暫くすると露天風呂のほうへ。私は温まるまでもう2,3分待ってから後を追うように露天風呂に向かいました。ひええ寒い!気温はそれほど低くないけど風の強いこの日。でもこの頃になると当初の緊張はかなりほぐれていました。(胸はまだ隠し気味にしてましたが)ほかの客に不審に思われている感じが全くない!

 

露天風呂はやや小さ目。でも大きさは私には関係ありません。屋根もない完全な露天風呂っていつ以来だろう?全然思い出せないくらい久々。うわーほんと温泉っていいな。世界に誇れる文化だと思います。友人が中(屋内)へ戻っても私はそこに残って一人でしばらく夕暮れの景色を楽しんでいました。

 

のぼせるぎりぎりまでお湯で温まった後脱衣所に戻って浴衣姿に。部屋に戻って私の温泉デビュー完了!何の問題もなく無事終了。夕食を堪能した後また温泉へ。そして翌朝もう一回。今回は一泊だけでしたが目いっぱい温泉堪能です。もちろん夕食前の初体験がうまくいったからこそできたこと。ほんとうによかった。一生忘れられない体験になりました。

 

帰りの電車の中で(夜行バスじゃないです)改めて初温泉体験のことを考えましたが、友人の存在はすごく大きかったと思います。脱衣所で、あるいは湯舟で友人と話をしていることで一気に私の「怪しさ度」が下がった感じ。ありふれた女子二人組に見えたんだと思います。一瞥して「普通」の範囲内に見えたらそれ以上詮索しないよね。改めて一緒に来てくれた友人に感謝。一人だったらこんなにうまくいかなかったかも。

 

シス女性のみなさん、何十年も「男性」と認識していた友人が女性への性別移行をした場合、その友人と温泉旅行に行けますか?二の足を踏む方も多いと思います。何十年間も認識していた性別、その認識を変えるのが難しいのは想像に難くありません。そういう意味でも私は素晴らしい友人に恵まれました。ありがとう!

 

東京へ戻ってからの女子会(私以外みんなシス女性)でちょっと訊いてみました。

私:「ねえねえ、温泉とかで他のひとの身体なんて見ないよね。みんなチェック入れてなんかないよね。」 すると

友人:「ん- 見るよ。ときどき。すごくきれいな人がいたときとか。」 と意外なお答え。

 

え?え?え? そうなの? 他の友人も反論しなかったのでそうなのかな。「きれいな人」が見られるのなら私が見られる心配は皆無ですが、それなら今回の温泉デビュー体験の時のように神経質に視線を外さなくてもいいのかも。次の機会にはもうちょっとリラックスしてもいいのかな。

 

温泉旅行にはもちろんまた行きたいと思っていますが、いつも今回みたいにうまくいくとは限りません。そのうちいやな目に合うこともあるでしょう。でもうまくいった体験が力になる点はカミングアウトや外出と似ているかもしれません。何年もかけて少しずつ移行を進めている怖がりの私ですが、入浴体験はすごく大きな一歩。みなさん読んでいただきありがとうございます。

 

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