3年半ちょっと前。私は一時帰国で東京の母の家に滞在していました。5年半ちょっと前に妻にカミングアウトしてから(3月の投稿参照)、さて次は誰?ということになるわけですが、母、子供、義父母にカミングアウトする、というのは比較的簡単に結論がでていました。妻との関係がやや安定し、HRTを開始した段階でいよいよ次のカミングアウト。妻へのカミングアウトからは2年たっています。
順番ですが、私としてはまず母に。そして義父母にカミングアウトして援軍を固めてから子供に、という筋書きを妻と相談した上で決めました。いずれも対面でしたかったのでこの(3年半ちょっと前の)一時帰国は母へのカミングアウトをする覚悟で飛んできたわけです(もちろん母と時間を過ごすことが主目的ですが)。
でも実際どのタイミングでなんて切り出す?着いてすぐ、というのも慌ただしいし米国へ帰る直前では全然だめ。それに当時すでに80歳を超えていた母にLGBTQなんてどこまで説明したらいいんだろう? LGBは昔からある概念だからまあわかると思うけどT(トランス)なんてとても無理?
到着後3日目位、昼ご飯のあと落ち着いた感じになったところで私は慎重に切り出しました。
「あの、ちょっと僕のことで大事な話があるんだけど」 それまでもそうでしたがこの「僕」という言葉自体がすごい違和感。使いたくない。自分でないみたいですが、カミングアウト前は仕方ないですよね。母は
「え、何あんた身体大丈夫なの?!」と至極当たり前の反応。あわてて私は
「あ、あ、身体は全然大丈夫。病気とかじゃ全然ないから心配しないで」
さてここからが本題。
「自認するジェンダー、性別、ていう考え方知ってる?聞いたことある?」
「え…?」 そりゃ知ってるわけありません。
「心の性別って言ったほうが分かり易いかもしれないけど」
「あ、それならなんとなくわかるかも」
「僕… 心の性別が男性でないんだ」
「え???」 そりゃそうだよね。すごい混乱させてしまった。当たり前だけどごめんなさい。
でも母にカミングアウトしないで義父母、子供、そして友人たちにカミングアウトすることは私にはできませんでした。母の混乱は予想していたけれど、私としては本当の私のことを伝えておきたかった。他の人たちにカミングアウトする前に。とにかくできるだけ平易に説明しなくては。
次回に続きます。