先月4年程前に悲願のホルモン療法(HRT)を開始したのにさっぱり効果がでないことをお話ししました。HRT 開始から2か月後のジェンクリでのアポ。私はしびれを切らしてエストラジオール(E2)の増加をお願いします。そして血液検査、特に肝臓の値もOKだったので、晴れて2018年末から標準服用量の1日4mgに。試用期間の1日2mgからは倍増です。私の性別移行開始は何も変化が見られなかったHRT試用期間時ではなくこのタイミング――今から4年弱前――と考えています。
さて何か変化は?E2倍増で難攻不落を誇った私の体の対女性ホルモン防御(もちろん防御なんて一切してほしくないのですが)も揺らぎ始め、2019年に入ると少しずつ変化が。以下にそれをまとめてみました。
✩ 望ましくない変化(副作用)
情緒不安定、偏頭痛、性欲の減退、体重増加などがMTF向けHRTの望ましくない副作用とされていますが、この段階では性欲の減退以外はほとんどなかったように思います。偏頭痛は10代半ばから20代半ばの頭痛地獄(2021年10月11日の投稿:「大学時代その2」参照)とは比較にならないものの時折あり、HRT開始後に特に増えたわけではありません。体重は脂肪がつくから増えますよ、とのことでしたがなんと徐々に減少。もともと細マッチョ系だったのですが、脂肪がさほどつかないうちに筋肉がごっそり落ち始めた、というのが真相のようです。
✩ 望ましい変化
最初に変化が出るのは代謝の活発な肌、と言われていますが私はどうも自覚できませんでした。脂肪のつき方の変化も前述のとおり脂肪が少ない体質(だった)のでよくわからず。体毛も以前に述べた通りもともと少ないので微妙なところ。最も苦しんでいる薄毛進行の停止も効果の気配無し。それじゃ一体何があったの、ということですが、E2倍増後、1か月ほどすると乳首が何かに触れるたびにちょっと痛い… 何か軽くこんとぶつかったりするとかなり痛い。お、これは効果が出始めている!と希望を持ったのはいいのですが、数か月たっても胸の成長という点ではかなり期待はずれでした。順調に胸が成育する様子を綴った他のMTFの方のブログを目にするのはやはり辛かったです。脂肪が少ない体質だったので期待するのが間違っていたのかもしれませんが。
結局性欲減退、筋肉量の減少、そして乳首の痛み、というのが最初の数か月の変化でした。体重減少は2019年後半には止まり、徐々に脂肪がついてきたようです。このほか髪の毛が細く柔らかくなったようですが、老化すると同じ現象が起こると同世代のシスジェンダーの友人たちに指摘されてますのでこれはHRTの効果とは言い切れません。胸の成長に関しては変化があるだけでも御の字、これから加速するかもという微かな希望とともに忍耐強く待ちました。でも結局薄毛が止まらないように思えること、胸の成長の遅さへの失望により1年後また服用量を変更することになります。
E2倍増にもかかわらずHRTの効果が思ったほどでない… 一番大きかった効果はむしろHRTを開始した、とにかくテストステロンを浴び続けた55年間とは違う、という意識、それによる安堵感――身体的な効果ではなく心理的なものだったかもしれません。