前回中高時代の私の情けない恋愛経験について触れましたが、その頃も「女子になりたい願望」は女の子に夢中になっている一方で強まるばかりでした。すでに自分がゲイでないのは火を見るよりも明らか。性自認なんてコンセプトもない時代なので、自分がストレート男子であることには微塵の疑いもありません。このわけのわからない「女子になりたい願望」に時折強烈に襲われるのはなぜ? もちろんわかるわけもないのですが、「女の子に憧れすぎてそう思っているだけ」とか「他の男子も時々そう思っていてだれにも言わないだけ」と危うい論理で自分を納得させていました。
いずれにしても大事なのは(1)この願望をなんとか抑え込むこと、そして(2)絶対にその素振りを見せないこと。この時期はほとんどのストレート男子にとって、女子にモテることは最優先課題。「あいつホモ」とか「○○君おカマっぽい」などと噂がたつことは致命的。「女子になりたい」なんて思いがバレたらもう一生彼女なんかできない!人生おしまいです。絶対に絶対に避けないと。(1)はどうしようもなかったのですが、(2)については何とかこなしていたと思います。そしてその後40年間にわたって鋼鉄の如き意思で(1)と闘い(2)をマスターしていきました。結局人生で最も充実しているはずの10代から50代、40年間もの苦闘はなんだったの、ということになりますが、それは先の話です。
今の若い世代では性自認が完全に男性ではない(らしい)方、とか時々女性の格好をして過ごす、という男性も完全にオープンにして女性と結婚しているケースがありますよね。社会が変化してきているという祝福したい気持ちと、私にはその選択肢はなかった、という悲しみがまざって複雑です。