浪花艶噺 ~Tales of TSUYA~ -24ページ目

浪花艶噺 ~Tales of TSUYA~

俊太郎さまの姿を借りた浪花女の妄想ブログです。
女性ホルモン絶賛捏造中!!!


この話は続きものです。


こちらよりどうぞ→ 









BLです。

苦手な方はお気を付けくださいませ。



















「悠・・・?」


ずっと、ただずっと俺を見つめている。

悠の視線に優しく柔らかく囚われて。

俺も何故だか目を逸らせない。

ドクン 大きく鼓動が撥ねる。


立ち上がった彼が視線はそのままに。

こちらへとゆっくり、近づいて来る。

一歩、また一歩・・・


時の進むのが酷く遅くて、

俺の心臓は壊れそうな程暴れだす。

なのに身体は金縛りにでも遭ったかのように、

ぴくり とも動かない。


どうした、俺?

一体どうしちゃったんだ?



俺の前で足を止めた悠が。

眼鏡越しのくるん と丸い瞳で俺を見つめる。

俺の思考回路はどこかもうショートしてしまっていて。

悠の瞳に映る自分の顔を、

うわ、何か間抜けな顔してんな、とか思う。

ちょっと笑ってた、かも知れない。


そんな俺の頭を、

悠は片手で優しく引き寄せて。

ほっぺたがあったかいや、なんて思ってると。


「恵、ありがとな」


耳許に甘く柔らかい声が降ってくる。

だけど、


「え・・・何っ・・・?」


聞き返す頃には温もりは離れてしまっていて。

空調に忽ちすぅっ と冷やされる頬が淋しくて。

もっとくっついていたい、とか思ってしまう。



俺へと伸びる悠の手が。

たくさんの奇跡を生み出すその右手が。

髪の毛をくしゃくしゃ 掻き混ぜて。


「腹、減ったな。飯行くか?」


いつもの悠の笑顔に戻る。

ちょっと、ほっとする。

ちょっと、残念な気もする・・・けど。


「あ、あぁ、行こう!俺も腹減った」



悠が普通に振る舞ってるんだから。

俺もそうしなきゃ。

でも、じゃあさっきまでのは何だったんだ?


俺は一体どんな気持ちで・・・

悠も一体どんな気持ちで・・・

あんなの、ふたりとも普通じゃない。


じゃあ、一体・・・?



なぁ、悠?

俺、ちゃんと笑えてるか?

いつもの調子に戻れてるかな・・・




夕飯をどうするか相談しながらぶらり 歩いて。

ほんとはソラマチの中とかで食べれたら良かったんだけど。

ふたりとも、小洒落た感じとか苦手で。


「どうする?」


「いや、無理だわ。こう言うの」


「だな、俺も」



街中はそんな店が多いから、

ちょっと街外れの路地裏を狙い、歩く。

暫く歩くと、灯りがぽつ、ぽつと見える細い路地がある。


俺と悠は目を見合わせて、

吸い込まれるようにその路地へと入る。


「な、恵、焼き鳥屋だって?」


「おー!何かいい匂いするし!入ろーぜ!」


昔ながらの赤提灯がぶら下がる、焼き鳥屋に入る。



「いらっしゃーい」


カウンターの中から親父さん。

笑顔もなく、愛想もなく、素な感じがいい。


取りあえずふたりとも生ビールを頼んで。

でも悠が日本酒好きなのを思い出して。

ドリンクメニューとは別に、焼酎と日本酒のメニューがあって。


「見て?日本酒いっぱいあるよ?」


「おー、すげーな」


なんて話してるうちに。



すぐにビールが来て。


「どうする?」


「ここはやっぱり、さ?」


「うん、出逢いに感謝?かな?」


ジョッキを合わせて。

さすがに1日出歩いただけあって、ビールが美味くて。

テンションの高さもあって、流し込む様にどんどん飲んで。



いろんな話をした。

それは俺と悠のふたりだけの内緒だから、

ここでも言えないんだけど。

ほんと、いろんな話をした。


だけど色っぽい話にだけは、どうしても持っていけなくて。

抱き締められた事とかも、気になって仕方ないんだけど。

今この状態で言っても、悪循環になるのかな、とか。


いや、悪って・・・?

どうなったら悪くて、どうなったらいいんだ?

正直なところ、俺はそっちの経験は全くない。

今までだって普通に女の子と付き合ってきたし。

だけど、悠は・・・どうなんだろう?


正直なところ。

今こうして向かい合って話してても。

時々悠の手とか顔とか触りたくなって・・・

こんな気持ち、持った事なくって。

ほんとびっくりなんだけど。


何だ、これ?

ってのが俺の本当の感想。

初めての事だらけでさ、

自分で自分が分からない。



「恵、どうかした?急に黙り込んで。あっ、」


「ん、ごめっ、何でもなっ・・・」


俺の口許を掠める悠の指が。

何かを捉え、そして彼の口へと運ばれ・・・

ぺろり 舐めた舌の朱さが妙に艶やかで。


「何かついてたよ?」


事も無げにそう言うから。

俺も頷くぐらいしか出来なくて。



うるさい心臓は酒のせいにしておこう。




















to be continued・・・














Love you all xxx ドキドキ