浪花艶噺 ~Tales of TSUYA~ -23ページ目

浪花艶噺 ~Tales of TSUYA~

俊太郎さまの姿を借りた浪花女の妄想ブログです。
女性ホルモン絶賛捏造中!!!


この話は続きものです。


こちらよりどうぞ→ 









BLです。

苦手な方はお気を付けくださいませ。
















ドクン、ドクン、ドクン・・・

音聞こえてんじゃないかってぐらい。

服の上からバクバクしてんの、

見えんじゃないかってぐらい。


うるせーよ、俺の心臓!

とっとと静まりやがれ。

顔も身体も何か熱くて。

目の前のジョッキを煽る。


だけどそんな俺なんてお構いなしで。

通常運転の悠が前にいて。

誰のせいだと思ってんだよ?

理不尽な怒りすら芽生えてくる。



何か悔しくて、悠を睨み付けてみる。

すぐに気付いた彼は、不思議そうに首を傾げ。

それから何でかくすり 笑いを零して。


「恵、顔真っ赤。酔っちゃった?」


頬に掌を宛てながら。


「あ、ちょっと熱い。水もらう?」


あくまで余裕な態度で。

何か、モヤモヤする。



「なぁ、悠って、さ?」


何か掠れちゃった、低い声。


「えっ?何?どうした?」


ほら、本気で心配されてんじゃん。


「いつもこんなんなん?」


「ん?こんなって?」


やっぱ無意識だよ、そうだよな・・・

言葉で確かめようとした自分が急に恥ずかしくなる。



「いや、何もねぇ、気にすんな」


「気にすんなってったって・・・」


俺の隣に身体を滑り込ませ、詰め寄る悠。


「んなの、無理に決まってんだろ?」


腕を掴んで引き寄せて、前髪を掻き上げて。


「もしかして、熱とか?」


こつん 額を触れ合わせ、

悠のメガネが頬に当たってる。

焦点が合わない程近くに彼の瞳を認め。

その下のくちびるが柔らかそうだ、と思った瞬間。

ふたりの周りの空気がふわり 甘く匂い立つ。



ガタンッ!

カシャンッ!!


「・・・痛ってぇ」


床に倒れた悠と、割れた皿。

・・・・・俺・・・が・・っ?


突然の物音に、店内がざわめきだす。


「何だ何だ?」

「喧嘩かー?」

「うるせぇ、暴れんな」


好奇の視線が突き刺さる。



「・・・悠っ・・・・ごめ・・・俺・・っ・・・」


立ち上がった悠は俺の頭をぽんぽん と撫でて。


「だいじょぶだから」


そう言うと、カウンターの店員に、


「すんませーん、ちょっと酔っちゃって。

     お皿弁償させてください!」


頭を下げて。

それからお客さんたちにも、

お騒がせしましたー!って謝って回って。


店内はあっと言う間に平穏を取り戻した。

でも俺は自分が情けなくて腹立たしくて。

だって全部俺のせいなのに。

んな、笑ってんじゃねーよ!

・・・・・もっと、怒ってくれよ。



席に戻った悠はふぅ とため息をついて。


「で?恵は俺の何が突き飛ばすほど、嫌だった?」


穏やかな声で問う。


嫌?別に何も嫌じゃない。

ただどうしようもなくイライラして、ムカムカして。


お前はいつもこうやって人に触れるのか、とか。

どうせ何の気もなくやってんだろう、とか。

きっと他の奴らにもこうなんだろう、とか。


考えれば考えるほど。

苦しくて悔しくて、痛くって。

腹の底にドス黒い何かがドロドロ溜まるみたいで。


なのに、この感情を言葉にする術を持たない俺は。

恰好悪い顔を見られたくなくて、ひたすら俯くしかなくて。

ずっと黙ったままでいるしか出来なくて。



「な、恵?頼むからそんな顔しないで?」


悠の声があまりにも弱々しくて。

語尾が少し震えた様な気がして。


俺は弾かれた様に、悠を見た。


そんな顔するなと言う彼の顔は。

今にも泣き出しそうに歪んでいて。

目の前から消えてしまいそうに儚くて。


「・・・悠っ!?」


思わず変な声が出てしまう。

それを恥じる間もなく、見つけた腕の傷。

もしかして、それさっきの・・・?



「悠!お前ケガしてるじゃんか?」


俺のせいだ。

こんな狭い店の中で突き飛ばしたりしたから。

俺の、せいだ。


「ゴメン、悠!俺どうかしてた!」


ごめん。

本当にごめん。

何度も繰り返しながら、おしぼりで血を拭って。

まだじわり 滲む血をぐっと押さえて。


どうしよう、止まんねぇ・・・

傷口にくちびるをつけ、ちゅっ と吸い出して。

もう、無我夢中で。



どれぐらいそうしていたか、分からない。

やっと出血が止まったらしい傷口を確認して。

安堵して、悠を見上げると。


何だか見たことも無いような複雑な顔をしていて。

頬がうすら 朱に染まっていて。


「えっと、サンキュ、な?」


「うわっ!悪ぃっ!」


悠の隣に座って、両腕で彼の腕を抱え込んで。

その上俺、口で・・・有り得ねぇ!

我に返って急に恥ずかしくなって。


慌てて向かいに座り直した。



悠の顔が・・・見れねぇ・・・
















to be continued・・・














Love you all xxx ドキドキ