この話は続きものです。
BLです。
苦手な方はお気を付けくださいませ。
「恵・・・何て顔してんだよ?」
「・・・・・悠こそっ・・・真っ赤じゃんか・・・」
朱い顔をして、ふたり向かい合って座る俺たちは。
きっとよそから見たら滑稽に違いない。
だけど、当の本人たちは、
そんな事気にする余裕があるはずもなく。
余りにも同じ経路を辿り、
同じ反応を自ら示してしまった俺たちは。
きっともう、同じ答えを導き出していたんだと今は思う。
ただ、その答えを認める勇気が。
それを持つにはもう少し、時間が必要だった。
「そろそろ行くか?」
「あー、腹いっぱいだしな」
どちらからともなく、帰るムードになって。
ふたりで頭を下げて店を出て。
「いい人だったな、店長さん」
「あぁ、俺ケンカ褒められたん、初めてかも」
店長さん曰く、
「近頃の若モンは、帳尻合わせばっかで言いたい事も言わん。
ケンカなんてもっての外ってな。
皿の1枚や2枚、気にすんな。仲良くしろよ?」
もの凄い力で俺たちの背中をバシッ!と叩いて。
笑いながら店内へ消えていったんだ。
「豪快な人だな・・・」
「でもちょっとカッコいいかも」
何気に和ませてくれたんだよな。
オトナって、そう言う人を指すんだろう。
俺なんて、まだまだだ。
悠は・・・俺よりはオトナだな。
そう思う。
俺の方が年上なのに。
もっと、オトナになりたい。
ホテルへの帰り道。
「な、もう帰る?もう寝ちゃう?」
心から惜しそうに悠が尋ねる。
もちろん俺も同じ事を思ってたから。
「は?冗談!これからだろ?」
なんて言って。
途中でコンビニに寄って。
酒やらつまみやら買い込んで。
俺の部屋へ雪崩れ込む。
セミダブルのベッドひとつと小さなテーブル。
男ふたりには、ちょうどいい広さだ。
買ってきたものをバラバラ並べて。
取りあえず各々の飲み物を手に取って。
「改めて、かんぱーい!!」
取りあえず飲んで少し落ち着くと。
何故かふたり、ベッドに凭れぴたり 寄り添っていて。
でも、この距離がすごく心地いい。
今なら言えそうだ。
ずっとモヤモヤしてた想いを、
ぶつけるなら今かも知れない。
「悠ってさ、いつもこんななん?」
「お前、さっきもそんな事言ってたよな?」
「いや・・・近い、じゃん?距離?」
今も密着している腕を、視線で示すと。
悠は意外そうに目を大きく見開いて。
初めて納得した様に、頷いて言った。
「あ・・・そう言えば。うゎ、有り得ね・・・」
いやいや、有り得ないって何だよ?
そう思ったんだけど。
本当に悠は不思議そうな表情で。
「やっ、俺マジで今まで人とくっつくとかなくって。
何でだろ・・・」
ひとり首を傾げながら呟いてる。
悠、可愛いぞ。
そんな事思ってる俺も、大概意味分かんねぇ。
「きっと酒が足んないんだよ、もっと飲め飲め!」
ホテル備え付けのグラスに、
ドボドボと買ってきた日本酒を注いでやる。
ごくり 嚥下する度に上下する喉仏に
何故か触れたくて堪らない。
「あ、でも1つだけ分かる!」
一気に飲み干した悠がドヤ顔でこっちを見る。
「ん、何?」
「俺さ?恵を見てると無性に触りたくなるっつーか、
気付いたらもう触っちゃってるっつーかさ?」
「なっ、何だっ・・・それ・・っ・・・」
「ほらまたそんな顔する。
いちいち可愛い反応するお前が悪いんだよ」
男に向かって可愛いとかねーだろ。
全く何言ってんだか・・・
そう思いながらも俺は、
悠が触りたいと思うのが俺だけだという事に。
頬が緩むのを止められないでいた。
「恵?なーにニヤけてんの?」
悠が俺の瞳を覗き込むようにして。
からかう様な声音で尋ねる。
「何でもねーよ」
「ふーん、ま、いっか・・・ところでさ?
焼き鳥屋ん時の質問、まだ答えもらってねーんだけど?」
「え、と・・・何だっけ?」
「忘れちゃったの?しょうがねーな・・・」
小さな声で何かを呟いたと思ったら次の瞬間。
また悠の瞳が間近にあって。
きらり 悪戯な光を放つ。
悠は俺の膝の上に跨る様に乗っかっていて。
「思い出した?」
ふわり 酒の匂いが鼻を擽る。
吐息さえ感じる距離に、忽ち顔に熱が集まりだす。
「なっ、何のマネだよ?」
「ちょっとショックだったんだから、さっき」
「へっ?」
「あ、同じ事考えたなって思った瞬間、
思いっきり突き飛ばされてさ?」
「ちょっ、悠っ、酔ってんのか?」
悠がそんなに酔ってない事ぐらい分かってる。
だけど、何を言っていいか頭が働かなくて。
それに、すごい力で両腕を押さえつけられていて。
何だ、これ?
俺、一体どうなるんだ??
to be continued・・・
Love you all xxx ![]()