浪花艶噺 ~Tales of TSUYA~ -21ページ目

浪花艶噺 ~Tales of TSUYA~

俊太郎さまの姿を借りた浪花女の妄想ブログです。
女性ホルモン絶賛捏造中!!!


この話は続きものです。


こちらよりどうぞ→









BLです。

苦手な方はお気を付けくださいませ。















「ん、酔ってるかも。恵ももっと酔っちゃえばいいのに」


「・・・はるっ・・か・・・?」


声が上擦る。

苦しいぐらい鼓動が激しくて。

頬に宛てられた悠の手がさっきより熱い。


「なぁ、恵?そんな顔されたらさ、

  何かイケナイ事したくなるんだけど?」



人差し指ですぅ とくちびるをなぞる。


「やっぱり、柔らかいな、ここ」


口許だけで微笑む悠の瞳は真剣で。

俺の瞳を強く捉えて離さない。

そのまま少しずつ、悠の顔が近づいて来て。


「・・・っ!」


俺は咄嗟にぎゅうっ と目蓋を閉じた。

そのまましばらく、動く事も出来ず固まったままで。

間近に感じていた悠の気配が、

確かにすぐそこにあった彼のくちびるが。


微かに触れたのか、或いは吐息が掠めたのか。

俺のくちびるにごく軽い感触だけを残して。

腕を掴む悠の手に、一際強く力が篭るのが感じられて。

そのまま離れてゆくのが分かった。



「・・・?」


ぱっ と開いた俺の目に映る悠の瞳が。

一瞬明らかに傷ついた様な悲しげな色を漂わせて。

でもすぐにまたいつもの表情に戻って。


「ばっか、何怖がってんだよ。

  冗談に決まってんじゃん、さっきのお返しだよ」


そう言ってケラケラ笑って。

テーブルの向かい側に座り直す。

俺も何か拍子抜けして。


「えっ?あ、そう・・だ・・・よ、な、ははっ」


取ってつけたような笑い声で。

胸のドキドキだけがいつまでもしつこくて。

テーブルの缶チューハイを一気飲みする。



急にテレビをつけてみたり。

めちゃめちゃなペースで酒を流し込んでみたり。

何となく、何となくだけど。

悠の雰囲気がさっきまでとは違っている気がして。


それに、さ。

ずっとくっついてた左腕が、涼しくて。

・・・・・・淋しくて。


悠、どうしたんだよ?

何で急にそんな余所余所しいんだよ?

俺、何かお前の気に障る様な事したか?



ずっとネット上でしか話した事なくて。

やっと会える事になって。

すごく、すごく楽しみにしてたんだ。


もし一緒に一泊出来たら。

夜通し飲んで、いろんな事を語って。

楽しい、忘れられない夜になるはずだった。


俺は何を間違えた?




「なぁ、恵?」


すごく長い間会話がなかった気がして。

久しぶりに呼ばれて、嬉しくて。


「おぉ!悠、何だ?」


照れ臭いほど弾んだ声。


「俺そろそろ自分の部屋戻るわ、眠くなってきた」


「・・・・・え・・・?」



眠いって、まだ23時前。

だけど悠はもう俺の答えを待つ事もなく。

テーブルの上の空き缶やらゴミやらを片付けだしてて。


「悠、まだ酒いっぱい残ってんじゃん」


微かな抵抗。

だけどそれも簡単に覆される。


「あ、風呂入ってからあっちで寝る前に飲むわ」


あっち、か。

そりゃまぁ、そうだよな。


「そっか。朝早くから移動だったし疲れたよな。

  明日どうするかまた朝にでも決めようぜ?」


「あー・・・俺明日あんまり時間なくてさ、悪い」


「そうなんだ、じゃあ朝飯ぐらいは平気?」


「あぁ、それはだいじょぶ。じゃあ8時ごろ」


「了解。おやすみー」



ろくに目も合わさず行ってしまった。


「俺も風呂、入ろ」


誰に言うでもなく、呟いて。


熱いシャワーに打たれながら。

今日あった事を振り返る。

俺はただただ嬉しくて。

悠に会えて、話が出来て、生絵まで見れて。


だけど言葉ひとつ交わす度、

指先どうしが触れる度、

避けてきた、胸の奥に燻るそれ。

ずっと気付かないフリをしてた、それ。


くちびるに触れた、悠の指の感触が消えない。



次いつ会えるかなんて、分からない。

悠も俺も社会人だし、そうそう休みなんて取れない。

新幹線に飛び乗っても、445kmは伊達じゃない。


じっとしていられない自分がいる。

今しかないんだ!って叫ぶ自分がいる。

何よりも・・・そう。

悠が好きだって思う自分がいる。


認めてしまえば、楽なもんだ。

そう、俺は悠が好き。

しかも、だいぶ好き。

ベタ惚れって、多分こういう事なんだろうな。


男だぞ?

胸なんてまっ平らだぞ?

声も低いし・・・いや、悠の声好きなんだよな。

改めて自分と向き合ってみるとさ。

既に重症?ってぐらい、好きだったり。



心も身体もすっきりして。

時計を見ればまだ23時30分。

いつもなら、全然チャットしてる時間。

まだしばらくは、寝ないはずだ。


冷たくあしらわれるかも知れない。

ドン引きされるかも知れない。

でも、自分の気持ちは伝える。



強く決心して、俺は勢い良く部屋のドアを開けた。














to be continued・・・














Love you all xxx ドキドキ