↓ 大昔に作ったハバネラのリズムのピアノ曲をアップしてみましたww

 

「ハバネラ」という言葉を聞いたら、
つい間違って、「暴君ハバネロ」を思い出しちゃうけど(笑)、
クラシック音楽が好きな人は、ビゼーの「カルメン」の中の、
「ハバネラ」を思い出す人が多いのかも。
自分は確かそれを小学生の高学年くらいのころに、
アナログレコードやFMで、演奏を聴いた記憶がある。

 

 


「ハバネラ」は4分の2拍子の、
『タ~ンタ、タンタン』というリズム音型が特徴の、
ゆっくりした舞曲ということらしいが、
発祥はキューバで、その後スペインで流行したとか、
あるいは、もとはイギリスから出てきてそれが、
スペイン経由でキューバに行ったとか、諸説あるらしいが、
キューバが発祥だと言われる事の方が多いみたい。
そしてそれはアルゼンチン・タンゴの前身でもあったらしい。

どちらかというと自分は、
テンポの速いアルゼンチン・タンゴよりは、
テンポがゆっくりとダラけていて、

ちょっとブルージーな感じに聞こえるハバネラの方が好きだ。
「ハバネラ」の語源は、キューバの首都の「ハバナ」で、
実は「ハバネロ」も「ハバナ」から来ているらしいので、
つい「暴君ハバネロ」を連想してしまうのも、
あながち間違いではないのかも(笑)



大学生から20代の頃に、友人のハガちゃんと、
イカサマなアマチュアバンドをやっていた頃、
バンド用のヘタクソなオリジナルの曲などを、作ってみたりしたが、
それとは別に、なぜかピアノだけの曲も作ってみたくなり、
いろいろクラシックやブルースのピアノ曲をまねた曲を、
暇をみては、ちまちまと作っていた頃があった。
その中で、ある日、「ハバネラ」のリズムの曲ができた。
曲名の「星を集めて」は、
サンドバーグの「星、歌、顔」の中の一節から拝借した。

ギターをやっている人に、オリジナル曲を作るときには、
どういう方法でするのか聞くと、たいがいは、
コード進行がまず最初にあって、そこからメロディーがでてくる、
とかいう答えが多いような気がするけど、
自分の場合はいつもメロディーが先で、コードは後についてくる感じ。
ニワトリと卵のどっちが先かというような話になってしまうとは思うが、
自分が曲を作ってみるときは、いつも素人の
メロディーから先の『鼻歌作曲』で、
頭の中にふと思いついたメロディーで、記憶に残るものを、
繰り返し、頭の中で鼻歌して、
それにリズムやコードを後で付けていくというやり方。
そして、そのボケ頭に、突然降ってわいてきたというメロディーが
実は曲者で、
大概は、自分がよく耳にした他人の音楽で、
無意識に吸収されているものが、
自分のフィルターを通して、また思いだすように、
湧いてきたようなものが多い。
ああ、いいアイディア浮かんだ!
と思ったら、それは実はまえにどこかで聴いたことのあるメロディ
と気づいて、ガッカリするが多く、
つまり、「パクリ」に限りなく近いのだが(笑)
しかし、その中で、何故か、同一な「パクリ」まで行かずに、
なんとなく別のものに、少し変わってくる事もあって、
そういう物だけ、ひろいあげて、
譜面に起こして曲にしてみたりするのが、
自分の『素人的パクリを発展した曲つくり』www
アニメで例えれば、他人の曲や節回しが、
自分のなかで『異世界転生』しているわけだ(笑)
でも、エリック・サティの数々の曲の中の要素を、
ほぼ同時代の内に、かなり自分の物にしていたドビュッシーのケースがあって、
それは、あながち間違った方法ではないのかも…
マーラーの曲も、他人の曲の「パクリ」が多いと言われ、
生前から聴衆や評論家たちから非難されていたのは、
有名な話みたいで、
しかし、それに対しては、
エゲレスのヴォーン・ウイリアムズという人が
『音楽は、音で、自分の言いたいことを表す、言語であって、
 その文章の中で、
 他の人がすでに使っていた言葉を、また使ったとしても、
 その文章の中で、その人が言いたいことの個性が、
 文章全体として、明確に表現されていれば、
 それは、オリジナルと呼んでもいいんだ。』
とかいうような擁護の言葉を述べているのだとか。
だから、素人のパクリモドキだって、
それはそれで、いいのだよ、多分(笑)
今の時代では、それに金がからむと、
すぐ「訴訟」になってしまうけどwww
それを自己満足でとっておくだけなら、
それはそれで、ええやんか。

そして、この「星を集めて」を作った後、
この曲は、いったい、誰の、何の曲の「パクリ」なんだろうと、
しばらくの間、思いをめぐらせていたら、
ああ、そうかもな、
ジャニス・イアンの有名な、「Will you dannce」

たくさんあるポップスやロックのヒット曲の中で、

こんなに明確に「ハバネラ」のリズムを使って、

多くの人々に聴かれた曲は、この曲が筆頭なんじゃないかなあ、

なんて素人ながら思う。

 

 


この曲は、昭和の時代にTVドラマを見ていた人なら、
知っている人が多い「岸辺のアルバム」のオープニング曲。
このドラマは、当時、「家庭もののドラマ」では
たいてい、破綻の匂いのない、ほのぼのした内容が常識の時代に、
不倫とか、家庭内暴力とか、物騒なものを盛り込んで、
当時としてはかなり斬新と言われたドラマだったらしいが、
それを自分がTVで観たのは、たぶん中学くらいのガキの頃だったので
ドラマの中ででてくる「大人の事情」には、
そんなにピンとこなかったが
この曲だけは、なんか印象に残っていた。



そして、小学校で、ビゼーの「ハバネラ」を聴いて、
中学校で、「Will you dannce」を聴いて、
大学生になって、曲作りのマネごとをしてみたら、
こころに残っていた「ハバネラ」のリズムが、
自分のフィルターを通して
ひょっこり出てきたことが面白かった。
そして、自分がよくオイカワやコイ釣りに行く多摩川水系は
「岸辺のアルバム」の舞台だった所の上流、というのも、
面白い偶然だなあ、などと思う。



やっぱり、人は音楽を聴くだけでなくて、
「音楽を、耳で食べていて、消化しているんだなあ」
などと思った。
そして素人の「鼻歌作曲」なら
誰にだって、できる事なんじゃないか?などと思った。
ただ、日ごろから楽器に手を触れるような環境にいないと、
誰もそんなメンドクサイことをする気が起きないだけで、
実は、その人の中には「それまで聴いていた音楽の資産」が
「埋蔵金」として、眠っているのかも知れないww
ただ、誰もそれを自分で「引き出し」してはいないだけなのかも。
音楽は、才能だけで形作られるのではなく
経験の集積からでてくるものなのかも?

そして、ジャニス・イアンの「Will you dannce」を
繰り返し聴いているうち、
この曲の起源はどこかにあるのだろうか?などと、思いを巡らせたら、
ひょっとして、ドリフターズの「ラストダンスは私に」ではないか?
とか、思ったりした。

 

 

「ラストダンスは私に」は、テンポも速くて、
「ハバネラ」や「タンゴ」のリズムは、そんなには表に出てなくて、
比較しても、全然似てないのでは?と言われるかもしれないが、
でも節回しなんかが「Will you dannce」と似ている所が
あるように、自分には感じられて、
音楽の伝統みたいなものは、
そんな感じで他人の中で生まれ変わって
引き継がれていくものなのか?
なんてことを考えたりもしたのでした。