2016年大統領選の情勢についての考察シリーズ。
【ネバダ州】
この州もスイング・ステート。2008年、20012年はオバマ大統領が勝利している。ヒスパニック系住民の増加で、今後は民主党寄りにシフトしていく可能性があり、ヒラリー氏にとって有利な要素が多い。
【インディアナ州】
もともとは共和党が強い州であるが、2008年の大統領選ではオバマ大統領が共和党の牙城を崩し、僅差で勝利した。その時、バージニア州とインディアナ州での民主党勝利は数十年ぶりの快挙であった。クリントン元大統領の時は、共和党が勝利したが接戦となり、民主党もいいところまで得票を伸ばしている。2008年民主党予備選ではヒラリー氏がオバマ氏を振り切って辛勝した州。ヒラリー氏にとって、勝利できる可能性はそれほど高くないが、接戦に持ち込むことは十分可能だ。
【ジョージア州】
南部でフロリダ州の次に選挙人が多い州で、ここをヒラリー氏が取れば勝利に近づける。夫のクリントン元大統領の選挙の時は、1992年接戦で勝利、1996年接戦で共和党に負け、という結果。2012年大統領選でもオバマ大統領が善戦しスイング・ステートに位置づけられた。南部出身の夫の地縁と、黒人人口比率の高さでヒラリー氏が勝利する可能性は十分にある。
【ノースダコタ州】
共和党の牙城という位置づけの州だが、候補者次第でスイングする要素がある。連邦上下両院の議員選出状況をみると、必ずしも共和党が常勝ではない。また、過去数回の大統領選を見ていると、クリントン元大統領やオバマ大統領は接戦に持ち込んでいる。ヒラリー氏が勝利できる可能性はそれほど高くないが、接戦に持ち込むことは十分可能だ。
【サウスダコタ州】
隣のノースダコタ州と似た傾向がある州だ。共和党の牙城だが、候補者次第でスイングする要素がある。連邦上下両院の議員選出状況をみると、必ずしも共和党が常勝ではない。また、過去数回の大統領選を見ていると、クリントン元大統領やオバマ大統領は接戦に持ち込んでいる。ヒラリー氏が勝利できる可能性はそれほど高くないが、接戦に持ち込むことは十分可能だ。2008年民主党予備選挙ではヒラリー氏が善戦し、オバマ氏に勝った州でもある。
【オクラホマ州】
典型的な共和党の牙城といえる州だが、クリントン元大統領の出身であるアーカンソー州のお隣ということで、地縁がある。1992年と1996年の大統領選では、共和党が勝利しているもののクリントン元大統領は善戦しており接戦州になっている。2008年の民主党予備選ではヒラリー氏が圧勝していることもあり、ヒラリー氏が候補者となれば本選で共和党候補と接戦に持ち込むことが十分に可能だ。
--------------------------------------------
さてさて、もうすぐ2014年秋の中間選挙が実施されるが、中間選挙は政権与党が議席を減らすことが多い。オバマ政権への支持率も40%台で推移しており、2010年中間選挙のようにオバマ大統領は厳しい戦いを強いられることになりそうだ。
今度の中間選挙が終わり、年末か年明けにヒラリー氏が正式に出馬するか否かを宣言すると言われているので今後のアメリカの政界から目が離せない。
