帰り道。
ナァ〜〜〜…
ん
この声は、にゃんこさん…
なんで上空から聞こえるのよ
ふと見上げた線路沿いの松の木の、
中盤からうにょっと曲がったそこにヤツはいて
じっとこっちを見ていた。
大きな松の木。
高さは悠に10mはあるか。
そのちょうど真ん中あたり
私が通るタイミングで一声鳴いたのだ。
…これは…
どう見ても降りられなくなってるパターンのやつ…
あぁどうしよう…
近所でよく見掛ける野良ちゃん。
さぁどうする…
見なかった聞かなかったことにして帰るか、
いや、そんなことできます
時刻は18時半。
あたりはどんどん暗くなっていく。
何か行動するなら早くしないと
どうしようどうしよう、
こんな時ってどこに相談したらいいわけ
iPhone片手に悩む。
警察消防
役所
別に緊急でもないし、うちの猫でもないし、
さて相手にしてくれるのか。
迷った挙句、
西宮警察署に電話した。
📞あなたの猫じゃないんでしょ
う〜ん何もできないと思うけど…
とりあえず誰か見に行かせますわ〜場所はどこ
待つこと30分。
え、どこの誰が来はるんか知らんけど、
最初からまったくやる気ないですよね。
バイクのお姉さんが2人のこのこ現れた。
あぁ、ほんまやおるおる。
うーん…これねぇ…
こんなんいつか降りて来るんじゃないんですか
こりゃあかん。
ほんまに見に来ただけやな
もひとりおっちゃん来た。
あ〜別に誰かに危害加えるとかそういうんじゃないし、警察の装備機材じゃなんもできんねぇ〜
ならばなぜ来た
わかった。
もういいです。
なんもできないってことですね、わかったから帰ってください
あぁ、選択を間違えた
警官3人を見送り、
もう本当に何もできないのかもう一度考える。
消防に電話するのは流石に気が引けるけど、
市の消防団なら相談に乗ってくれるかもしれない。
市役所の消防局に掛けてみる。
あのぉ、ダメ元で掛けたんですけどね…
あなたの猫じゃないんですよね
助けたら飼うとか、そういうわけでもないんですよね
あぁ、やっぱり一緒かな…
んーちょっと待ってもらえます
……
お待たせしました。
とりあえず消防車1台そっち向かいますわ〜
えっ来てくれるの
ウ〜〜〜〜〜🛎
待つこと数分。
サイレンが聞こえる…
えっ
待って、大袈裟
おかげでわらわらとひとがオモテに出て来た。
見てこのやる気に満ち溢れた感じ
たかが野良猫一匹のために
ここまでしてくれる心意気にただただ感動
このお兄さん、網持っていちばん上まで行ってがんばってくれただけでなく、
安全帯巻いて木に登るとまで言ってくれた。
右の上司っぽいお兄さんにそれはやめてくれと言われて断念してだけどね。
案の定、
怖い怖いとヤツはどんどん上に登る。
そらそーよね…
野良ですから。
普通に考えてひとがいちばん怖い。
結論を言いますと
助けられませんでした。
もう見えなくなるほど上まで逃げてしまい。。。
ならばなぜ助けようとしたかってところなんですけど
ただ私がスルーできなかっただけです…
ニンゲンが近づいたら怖がってジャンプして降りて来るかもしれないし、
何かの拍子にうまいこと捕らわれてくれる可能性もないことはないかなと。。
結果スルーしたのと同じやったんやけどね
人命救助でもなければ誰かの猫でもない。
通りすがりの一市民が野良猫を助けて欲しいと言ったことに対して
ここまで手を尽くしてくれて本当にありがとうございました。
放っておけなくてと言う私に、
気持ち分かりますわ〜
そう言ってくれただけで嬉しかったよ
さぁ。
警察が来る前に限界まで降りて来てた幹が曲がり始める場所までもう一度戻って、
そこから勇気振り絞って線路側にダイブしてくれ
そっちは急斜面だけど草むらだからね
転げ落ちてもキミなら大丈夫死にはしないさ
電車の通っていない夜中にね
がんばってくれ
消防のお兄さんたちを見習ってくれ
明日の朝またここを通る。
(いやわからん…通らんかもしれん…)
お願いだからうちを上から呼ばないでよね
来月のオンラインスケジュールの詳細を貼っておきます
お申し込みは
こちらよりお願いします
で。
明日はレッスンあるのやろか……