日本経済の復活、即ち、日本に経済成長を取り戻すには、女性の労働力を大いに活用する必要があります。
前回のブログにも書きましたが、女性の労働人口自身は大きく伸びています。しかし、残念ながらそれが経済成長に結びついていないのは何故か、現状分析をして、日本の経済成長の一つの柱になるようにするにはどうすれば良いのかという事を考察してみたいと思います。
私が現役時代は女性社員の多くは結婚と共に退職して、専業主婦になるのが一般的でした。女性は入社の際に一般職か総合職かどちらかを選択せねばならず、一般職を選ぶという事は、暗に結婚と共に退職しますという事を意味していました。
2007年にワークライフバランス憲章も制定され、男女共同参画、女性活躍社会などと声高に言われているので、女性にだけ一般職か総合職の選択制を課すような時代遅れの企業も少なくなったかと思います。
私が海外で会社経営をしている時には、男女の性差で仕事に差をつけるなどと言うことは一切なく、あくまで同等な扱いで、真に企業に貢献する人材かどうかで、評価をするのがごく当たり前であったので、いかに日本の人事マネージメントは時代遅れであるかを感じたものでした。
今では、女性が結婚や、出産により職場復帰を難しくするような扱いを受けないよう法律で保護もされていて、また企業側も差別扱いをすることによって、マタハラ、セクハラと言った形で訴訟を起こされたり、マスコミに叩かれるのを恐れて女性の就業継続はある程度保障されるようにはなりました。
しかし、本当に男女の性差に関係なく、平等に仕事を与え、キャリアアップ出来るような機会を女性に与えているかというと、まだクエスチョンマークが付くのではないかと思います。職場での男女の差を経営者として考えた場合、女性には出産という時期があるというのが唯一の差で、それ以外は取り立てた差はないはずです。
出産により、職場から離れなければならない期間が生ずるのは事実ですが、海外でも当然、日本同様マタニティーリーブと言って有給休暇が取れるシステムになっています。日本の場合は、恵まれていると言っていいのかどうか、出産休暇と共に、希望すれば育児休暇も継続して取って、一年以上職場から完全に離れることになります。
私の海外での経験では、女性の出産後の復職は意外に早く、復帰当初は短時間労働で、出産休暇中も比較的頻繁にメール等で仕事に関わり、完全に一年以上仕事と隔絶してしまうことは稀です。家族や夫のサポート体制、会社のサポート体制がしっかりしていないと、海外のように早期に職場復帰することも難しくなるのではないかと思います。
一年以上仕事から離れると男でも職場復帰に抵抗が出てくるのではないでしょうか。この点の見直しも重要ではないかと思っています。
日本ではようやく、採用、就業継続というところまでは、女性への差別がなくなってきたと言えると思いますが、本当の意味で女性の労働力を経済成長の一つの大きな武器として活用できるレベルには全く至っていません。
残念ながら、女性労働者の大半は非正規の単純労働に従事しています。特に今は、私の現役時代に結婚退職や出産退職されてしまった女性が、子供が独立したなどで時間的余裕ができて働き始めたという要因によることもあるのだと思います。
日本の女性の潜在労働力を十分に活用できていない証左としては、日本では女性の管理職、経営陣への登用が先進国と比べて非常に少ないということが言えると思います。
基本的には、仕事への能力に男女差などないはずです。女性は家で家族を守り、男性は表に出て働くという過去の歴史的背景から女性の社会進出が遅れてきただけです。今、先進国ではこのような大昔の考えを引きずっている国はありません。残念ながら日本は未だにこの考えから完全に抜け切れていないのではと思ってしまいます。
女性が新入社員として、会社に入社した時に、その会社に管理職や経営陣に全く女性がいないと、どのように感じるでしょうか?一般的にはその会社では自分が如何に努力しても、行きつくところが最初から決まっていると思うのではないでしょうか?
入社の時に、仮にまだ管理職まで出世した女性社員がいないとしたら、実力主義で男女の差別なく評価をしていくということぐらい伝える必要はあるでしょう。
日本の会社で良くあるのは、仮に能力のある女性を管理職にしたとしても、それ以上のモチベーションアップやチャレンジを積極的にさせるような機会を与えず、折角の能力を狭い範囲でしか活用できていないのではないかと思います。
男性社員であれば経営幹部候補として様々な経験や研修をさせ育てていくところ、なぜか女性だと、その専門分野のスペシャリストとしてしまい、若手社員の教育係で終わってしまうということも往々にしてあるのではないかと思います。
特に、経営者の皆様に伝えたいのは、女性の力を侮ってはいけない。男性の持っていない感性や能力を大いに引き出せれば、企業の発展に大いに貢献してくれます。前近代的な女性への見方を改めることを期待します。
職場での男女の差は、既述の通り出産休暇があることぐらいです。ITの発達した今は、何も出社して勤務時間働かなければ労働の成果が出せないことはないはずです。フレキシブルな勤務体制、実力成果主義を徹底していけば、男女差は何もないはずです。
日本の経済成長を取り戻すためには、何よりも女性の潜在能力を大いに引き出すことです。女性の働き方が非正規の単純労働だけに集まってしまっては、労働人口が増えても日本経済の成長には貢献しません。
次回は、日本の国の経済成長政策の誤りと今経済成長のためにやらねばならないことについての私見を述べたいと思います。