日本はバブル崩壊以降、経済成長がほとんど止まっている状況が続いているので、早急に的確な手を打って、日本経済を成長軌道に乗せる必要があります。とは言うものの、30年近くの間停滞したものを一朝一夕に解決するウルトラCは存在せず、私達皆の大きな意識改革が経済成長のためには不可欠と感じています。人口減少問題が眼前に迫っているので、今手を打たねば、将来が本当により厳しいものになるという危機感を共有して頂きたいと思います。
経済成長はGDPの対前年の伸びです。GDPは一人当たりのGDP×人口で求められます。一人当たりのGDPは生産性であり、これを増やす施策は数多くあると考えていますので、今後それを提言させて頂きたいと思います。
その前に、まず人口減少問題と少子高齢化への対応です。
厚労省の人口動態調査によれば、昨年度は、データーを取り始めてから初めて、出生数が100万人を切りました。合計特殊出生率はここ数年若干の改善は見せているものの、総人口数維持のために必要な2.07~2.08よりはるかに低い1.45でした。このままのペースで行くと2060年ごろには総人口数は今より3割ほど減り、8000万人台に突入、65歳以上の高齢者比率も40%近くになると推定されます。
残念ながら、人口減少、少子高齢化問題を短期的に解決する方法はありません。一般に言われるように、安心して子供をいっぱい産める環境を整備していくことしか問題解決法はないと思います。
それでは、当面避ける事のできない人口減によるGDP減への対応をどのようにしたら良いのでしょうか?
前回のブログで今のところ人口減がGDP減に影響を与えていないと書きましたが、総務省統計局の労働力調査結果を見ても1992年以降労働力人口は6600万人台でほとんど変化はありません。女性の非正規雇用の増加、60歳以上の再雇用による雇用継続が労働力人口減の歯止めになっていると言えます。しかしながら、団塊の世代もついに70代に突入し始めていることから、これからは労働人口減が現実のものになると考えられます。
人口問題は人口減少ではなく、少子化であって、それへの対応としてよく議論に出るのが、私の著書『変だよ!日本の常識』にも書きましたが、外国の若い人達を積極的に受け入れる移民政策です。
私が長年暮らしたカナダでは、国土に比して人口が少なすぎると言うことで、計画的に移民を受け入れています。また、私がリタイアする直前まで住んでいたシンガポールは、出生率1.25と世界で最低のレベルにあるので、計画的に移民受け入れを行っています。ちなみに2015年のシンガポールの一人当たりのGDPは日本の26位に対し、世界第8位、カナダは17位です。
シンガポールは中国系、カナダは欧米系の他民族国家です。シンガポールもカナダも公用語は英語を採用しています。
カナダでは移民政策に呼応して、英語のできない移民に対して、無償で英語を教えるESL(English as Secound Langauge)クラスを作り、英語を話せない移民たちがスムーズに環境に適応できるようなシステムを作っています。
シンガポールはアジアの金融センターとして、目を見張るような経済発展を遂げていますが、その背景には西欧人が喜んで住みたいと思うような国の環境作りをして来たこともあります。その結果、中国人の国でありながら、ガーデンシティーと呼ばれるほどのきれいな国になり、多くのグローバル企業のアジア統括センターが置かれています。
また、ロンドンタイムズ誌が発表している世界大学ランキングでは、アジアの最高レベルの大学も、東大に大きな差をつけ、シンガポール国立大学が1位です。
このように、世界には人口を増やすために、移民政策を推し進めている国々がありますが、誰でも構わず移民を受け入れている訳ではなく、それなりの才能や財力が移民受け入れの条件となっています。
さて、日本ではどうでしょうか?独特の島国文化を持ち、世界共通言語と言われる英語も十分に通用しないこの国で、十分な環境整備もせずに、移民政策を行ったらどうなるでしょう?ただ人口が増えれば良いというのではなく、日本の経済成長に寄与してもらえるような人材に来てもらわねばなりません。その為に日本政府も永住権を与える条件として、高度人材ポイント制度などを作っています。
しかしながら、日本が好きで、是非日本で活躍したいと考えている、有能な海外留学生がいても、その多くが日本での就職に失望して日本を去ってしまったという話は良く聞きます。ジョブディスクリプションも不明瞭で、単なる通訳をする便利屋として使われ、彼らの持っている才能を伸ばしてもらえないという失望感によるものという話をよく耳にします。
このへんの問題点は、日本人の生産性の悪さに繋がるポイントでもあると思っていますので、追って持論を展開させてもらいたいと思います。