掲題について、一昨日のブログで書き足りなかったので、追記したいと思います。
私は、人口不足のため移民を積極的に受け入れているカナダや、外国の低賃金労働者を積極的に受け入れているシンガポールに駐在していた経験も踏まえて、日本における移民政策の難しさを、拙著『団塊世代よ!日本経済再生の先頭に立て!』に書きました。
両国とも公用語は英語であり、多民族国家であり、移民に対する一般国民の抵抗感の非常に少ない国々ではあるが、やはり外国人の受入れに当たっては、国の秩序が守られ、自国民の利益を守るという観点から、相当慎重に検討され、それなりに厳しい条件を課しています。
カナダへの移民のハードルは、他先進国同様それなりの学力、自活力など自国民の足手まといにならないよう、さまざまな条件が課されています。また受け入れられた移民は、今回の日本のような、低賃金労働者ではありません。人道的見地からの難民の受け入れも行っていますが、それは別格です。
今回の日本の外国人労働者の受け入れ拡大は、どちらかと言うとシンガポールのケースに似ているように思います。今やシンガポールは一人当たりの国民所得を見ても分かる通り、日本よりはるかに裕福な国です。共働きが多いことなどから、一般家庭でも女中を雇っていますが、女中はフィリピン、インドネシアといった近隣国から来ています。また、建築現場等の労働者はほとんどインド、バングラデシュなどから来ていますが、長期間の定住は認めていません。女中などは妊娠すれば強制国外退去となります。ある意味非人道的な扱いをしていると言えます。
このように、他国の状況を見てみると、日本はあまりに安易に外国人労働者の受入れ拡大を考えてはいないか、禍根を残すことにならないか大変不安です。
一部職種において労働力が不足しているので、外国人労働者の受入れを拡大するというのは、前回書きましたが、日本の賃金上昇を抑えるもので、デフレからの脱却を遅らせるものであるという事を政府も認識すべきです。
労働力が不足しているのは、飲食業、介護、建設業、農業などですが、厳しい言い方ですが、賃金を上げて成り立たないなら、外国人労働者を低賃金で使うことは、一時しのぎに過ぎず、長くは続かないと思います。
安い労働力に支えられているがゆえに、もう何年も日本の外食価格は変わらず、先進国の中では相当安くなっているのは事実です。
介護についても介護報酬の値上げをすべきで、値上げすれば潜在的な介護福祉士が職場に戻ってきます。
農業などについても、安い労働力に依存せず、生産性を上げたり、付加価値を上げる事が今やらねばならないことであるのは明白です。
政府の今やるべきことは、大胆な規制緩和を実施して、経済成長をはかり、多くの国民が懸念している今後の社会保障制度のありようを明確に示し、国民の財布のひもを緩め、しっかりとした経済成長を推し進める事です。
今のままの状態で、外国人労働者の受入れ拡大に踏み切ってしまうと、様々な問題が噴出すると思います。
現在でも問題のある技能実習生や留学生に対する非人道的扱いが、ますます、まん延する可能性や、外国人労働者の孤立化、暴徒化の可能性も否めません。
一方、前回のブログでも書きましたが、形式的人道主義の結果、よく検討せず日本人と全く同じ公的福利厚生を適応することにより、生活保護費や非居住者の医療費負担など社会保障費のコストを増大させる懸念もあります。
安易な外国人労働者の受入れ拡大はやめるべきだと強く感じますが、皆さんはどうお考えですか?
ご意見が頂けたら幸いです。