最近、私の家の近辺でも不動産価格が上昇しているように感じている。実は4年ほど前に、現在住んでいるコンドを中古で買ったが、同じような物件が、私が買った時よりも一割以上高い価格で売買されている。
また、近所に100邸ほどの小規模マンションが3棟ほど建築中であったり、戸建ての建売も、数10軒単位で建てられている。
人口減少で空き家問題が騒がれているのに、都心ならいざ知らず、東京から40分近く離れた千葉でと、若干訝しく感じてしまう。
景気が上向いているのではと言う雰囲気と、来年10月に予定されている消費税10%アップへの駆け込み需要を織り込んでのことだろうと想像する。
好景気の雰囲気と書いたのは、経済指標的には第二次安倍政権になってからの大胆な金融緩和策を受けて、円安基調の定着などで大手企業では業績が大幅に改善している。
しかしながら、いざ個人所得を見ると、残念ながら社会保障費の負担増などから、必ずしも可処分所得が増えているとは言い難い状況にある。
実需がないのに不動産業者がミニバブルを起こそうとしているとは考えにくい。現実に価格が高騰しているということは実需もあると言う事だろう。それではどこに実需があるのか解析してみよう。
まず、相続税対策が考えられる。3年前から実施された相続税の基礎控除額の大幅引き下げにより、都内に家を持っている人たちが課税対象となる可能性が非常に大きくなり、タワマンなどを購入して相続税対策をしているということが考えられる。
次に、極端な金融緩和により、異常な低金利状況が続いている為、不動産を購入して賃貸収入を得るという不動産投資をする個人投資家が増えているということも考えられる。
それから、海外からの不動産投資が増えていることも考えられる。日米の不動産価格推移を比較してみると、驚くほど日本の不動産価格が上昇していないのがわかる。
1983年を基準にして両国の不動産価格推移を見てみると、米国の不動産価格はリーマンショック前には83年の3.5倍まで跳ね上がり、リーマンショックで落ち込みはしたものの、今ではほとんどリーマンショック前のレベルに戻っている。
一方日本は、バブル期に5倍まで跳ね上がり、バブル崩壊後急速な価格下落が起こり、今は1983年の1.4倍程度に停滞している。
拙著『変だよ!日本の常識』や『団塊世代よ!日本経済再生の先頭に立て!』にも書いたが、いかに日本のバブルが異常であったか、またバブルの後遺症から未だに抜け切れていない状況を、不動産価格の日米比較でも明らかに示している。その上、昨今の円安の効果もあり海外の投資家には日本の不動産が相当割安に見えているはずである。
このように見てくると、どちらかと言うと不動産投資としての需要が不動産価格を引き上げているようだ。
東京都内ではまだ地方からの人口流入があり、世帯数もまだ暫く増加傾向にあるだろうが、早晩、都内での人口減少、世帯数減少も現実のものになると推測される。
東京オリンピックを境に、都内でも供給過剰となり不動産価格の下落は避けられないと思うが、皆さんはどう思われますか。