今日の日本経済の低迷の一因は、労働生産性が上がらないという事で、その要因は日本独特の労使関係、人事管理システムであるという私見を、前回申し上げました。
今日は、なぜホワイトカラー層、即ち知識労働者の生産性がなかなか上がらなかということについて考察してみたいと思います。
日本が驚異的に経済発展した時代は、人口急増と言うボーナスと製造業の生産性アップが経済を牽引しました。また、戦後の焼け野原からの出発であった為、世界の先進国に追いつこうという明確な目標があったため、多くの経営者たちが裸一貫からその目標に向かって突き進んできました。
ところが、1990年代初めにバブルが崩壊して以降、第二次産業(製造業)に依存して経済を伸ばすことに限界が見えてきて、第三次、第四次(情報産業)、第六次(一次から3次まで横断する産業)産業に注力するよう方向転換する必要性が出てきました。
しかしながら、製造業で経済発展を遂げた過去の栄光からの切り替えが出来ず、知識と言う生産手段を使って成果を生み出すことができるこれらの産業への効率的取り組みが出来ていないのが実状だと感じます。
裸一貫からスタートした企業も今では大企業となり、オーナー社長から雇われ社長に代わるなどの変化もあり、過去の成功モデルから脱却して、ダイナミックな変革を起こすことが難しくなっているのだと思います。
特に大企業の経営者やマネージャーが、知識労働者の仕事の効率化、生産性の向上と言う事を最重要課題として、取り組まねばならないと認識し、実践しているケースは、実際には、少ないのではないかと思います。
仕事の生産性を上げるという事は、一労働単価に対し、より高い成果を上げることで、「好きこそものの上手なれ」と言う諺にもあるように、自分の仕事に対する姿勢が成果に大きな影響を与えると思います。
一つ私がびっくりしたことは、日本人は世界的にも非常に勤勉であり、かつ比較的長時間労働もいとわないと言われていますが、世界価値観調査の結果を見ると、他の先進国と比べて、仕事も会社も同僚もそれ程好きではないという結果が出ています。
残念ながら、自分の仕事にやりがいを持って、より高い成果を得るよう頑張っているという姿ではなく、ただ会社の中で波風を立てず、ずるずると仕事をしていると言うのが日本人の平均的実体であると言うのが見えてきます。
これでは生産性が上がらないのも当然だと思います。