今日はアベノミクスの3本目の矢、成長戦略について書いてみたいと思います。
政府が提示する国の成長戦略については、色々と議論のあるところだと思います。
2012年第二次安倍内閣が発足して、翌年の6月に成長戦略が策定され、閣議決定されました。その後3年余の間、一体どのような政策が実施され、経済成長に寄与してきたのか、正直見えないところも多く、真に既得権益の打破や、規制改革への思い切った踏み込みが出来ていないなどとの批判も浴びています。
昨年6月には、『日本再興戦略2016』が閣議決定され、明確に期日を明示してはいないものの、現在500兆円の名目GDPを2020年頃には600兆円にするとの目標設定をしました。多くの人がこの数値設定には懐疑的な見方をしていますが、設定値はどうあれ、GDPを増やさねばならないという視点は大変重要であると考えます。
『日本再興戦略2016』の中身を詳しく見てみると、いかにも優秀な官僚が鉛筆なめなめ作ったような内容で、ここまで広範な経済政策を描いたところで、政府として実行できる範囲は決まっているのではないかと思います。その内容自身は、IoT,VR,AI,ロボット技術を活用する第4次産業革命を起こすというもので、決して的外れなものではないと思います。しかし、これら産業革命を起こすのは最終的には民間の力であり、政府がなさねばならないことは、産業革命を起こすにあたっての障壁となる規制であったり、既得権益者の排除を推し進めるような改革、法整備だと思います。
農業改革であったり、医師会改革であったり、業界を大きく変えようとする若い世代の前に立ちはだかるのが、旧態然とした既得権益グループです。悲しいかな、一度握った権益は離したくないと考えるグループの牙城が如何に強固なものであるかと言うのは想像を絶するものがあります。ここにこそ、国が切り込んで行くべきなのですが、票が大事なのか、中途半端に終わっていると言わざるを得ません。
例えば農協改革であれば、現在小泉ジュニアが政府の農林部会の部会長であることもあり、かなり思い切った改革をしようと切り込んでいる姿を時々ニュースで見ますが、まだまだ不十分と言うか、旧態然とした既得権益勢力が如何に強固であるかということが良く分かります。
日本は狭小な農地しかないので、世界と戦ったら、日本の農業は壊滅してしまうという議論が良くあります。でも本当でしょうか?
やり方によっては、間違いなく日本の農業は国際競争力を発揮できると思います。
なぜなら、世界の国々のデーターを冷静に比較してみると、日本よりはるかに耕地面積の小さいヨーロッパの多くの国々が農産物・食料品の輸出額において、日本よりはるかに多いという事実が日本の農業が世界で通用するはずだ、という証左になるかと思います。
私は色々な業界の事情に精通している訳ではないので、詳しくは分かりませんが、ある業界に新規参入しようとする起業家にとって、既存勢力の理不尽な壁や、複雑怪奇な行政手続きの壁などが新しい風が吹き込む妨げになっているのではないかと強く思っています。若い、新しい創造的な考えを持った起業家が育たねば、日本経済の復活はないと思います。
そのような若者を育てるのは教育であり、親の貧困から教育が受けられないことが無いよう、教育の無償化も大変大事な政策であり、また教育内容も、真に個々の創造力、独創力を育むものに注力することも必要です。
日本では産学共同で、学術研究結果をビジネスに結び付けるという事が積極的に行われず、多くの優秀な科学者が海外に流出しています。政府は有能な海外人材が流入するような開かれた環境をと言っていますが、まず日本人の優秀な人材が海外流出しないことを考えるのが最初です。
日本経済を成長軌道に乗せ、GDP600兆円を目指そうする政府の指針は間違っていませんが、実際に経済を伸ばすのは民間で、政府は民間が積極的に経済活動できるよう開かれた環境を提供するのが仕事であると思います。
それともう一つ、GDP成長の最大の要素は個人消費の伸びです。長年個人消費が伸びない理由は端的には、少子高齢化、経済停滞による将来への不安です。この不安を払しょくするのは政府の大切な仕事です。ひと頃騒がれた『税と社会保障一体改革』はどうなってしまったのでしょうか。社会保障の不安を払拭する改革案を実施していくことが、将来不安を解消し、個人消費の伸びにも寄与するものと考えます。
さて、次回は日本経済復活の真の担い手である私達は、どうのような視点で現状改革を行って行ったら良いか提言したいと思います。