今回は会社勤めを始めた人向けに給与明細表と源泉徴収票についての話をしましょう。


勤め始めてもらうようになった給与明細表の見方分かりますか? 

私の若い頃(40数年前)でもすでに封筒に現金を入れて給与を支給される時代ではなくなっていました。 給与袋には給与明細表があるのみで銀行振り込みされていたので、支給額を確認するだけで、明細表の中身をきちんと見た覚えがないのですが、私と同じような人も多いのではないでしょうか?


給与明細表の中身をこの機会に見てみましょう。

まず支給項目があり、基本給と諸手当に分かれていると思います。 基本給は読んで字の如く、給与の基本部分で、ボーナスや退職金などの計算ベースになっている金額です。

次に控除項目があり、まず社会保険料(前回、前々回と説明した健康保険、厚生年金、雇用保険等)の本人負担分です。それから税金です。源泉所得税は総支給額から社会保険料等を差し引いた暫定課税所得額をベースに計算され毎月引かれますが、年末に税額の過不足の調整が行われます。 これが年末調整と呼ばれるものです。 税金にはもう一つ地方税である住民税がありますが、その税額の計算は前年度の所得をベースに徴収されるので、新入社員で前年が学生で収入がない場合には入社一年目はゼロとなります。

支給金額から控除金額を引いた差引支給額が俗に言う『手取り』で、難しく言うと可処分所得となります。


源泉徴収票は一年が終わると会社からもらえるものですが、これによって1月1日から12月31日までの給与の総額や年末調整によって確定した各種控除の額が分かります。

支払金額は支給された給与や賞与の額面総額で、年収と呼ばれるものですが、非課税給与となる通勤費、出張旅費などは含まれません。

支払金額の隣に『給与所得控除後の金額』が出ていますが、これは給与所得者に対して、決まった算式に基づき計算し、経費として認めるので課税対象にしませんと言う額が所得控除額です。 ちなみに、仮に年収が300万円とした場合には給与所得控除額が108万円となり、給与所得控除後の金額は192万円となります。 

余談ですが、これを個人事業主の場合と比較すると、個人事業主は商売を行うにあたっての必要経費以外には、複式簿記で税務申告をした場合に、青色申告所得控除として所得金額に関係なく定額で65万円の控除が認められるだけですので、ある意味サラリーマン優遇と言えるかも知れません。

次に社会保険料等の金額はすでに説明した、健康保険、厚生年金、雇用保険等の保険料の総額です。

生命保険料の控除額と言う欄がありますが、生命保険料、個人年金保険料等々最大で12万円までの所得控除が認められています。

所得控除の額の合計欄がありますが、ここには社会保険料の金額、生命保険料控除の金額及び人的控除と呼ばれる基礎控除、配偶者控除等々を総計した金額が記入されます。

そして、源泉徴収税額が、給与所得控除後の額から所得控除の額を引いた課税所得額に一定の税率を乗じて計算して導き出されます。


医療費を払い過ぎたあるいは寄付をたくさんしたと言った場合には、医療費控除、寄付金控除といった控除費目がありますが、これは会社では処理してくれませんので、別途確定申告をして税金の還付を受けることになります。


これで給与明細表や源泉徴収票の見方がわかりましたか? 自分がいくら税金を納めているかも認識でき、税金の使い道を決める政治の動きにも意識を強く持つようになるのではないかと思います。