閣議決定された税制改正案は3月末に国会の審議を経て衆参両院で可決され法制化されました。早々と信託銀行が前回説明した教育資金の非課税制度に対応して、口座開設を促す宣伝記事を掲載し始めています。


さて、今回は個人所得税の改正点について書いてみたいと思います。


まず税率構造が従来1800万円超が40%の最高税率であったものが、来年から4000万円超というもう一段上ができて、その税率が45%となります。まあ、一般庶民には関係ありませんが、大いに我々に関係あるのは、すでにスタートしている復興税(税率の2.1%)が今後25年間付加されることではないでしょうか。


金融・証券税制での目玉は投資活動を積極的に後押しする制度として日本版ISA(Individual Saving Accounts)が新設されることだと思います。なぜ日本版かと言うと、原形が英国にあるからです。要は少額投資非課税制度で、最大累計投資額500万円までの上場株式・公募株式投資信託の配当・分配金・譲渡益が最大10年間非課税になると言う制度です。今年まで継続適用されてきた上場株式等の配当・譲渡所得の20%から10%への軽減税率の廃止に代わって来年度から施行されるものです。

もう少し詳しく説明すると、2014年から2023年までの各年に1年間最大100万円までの投資額に係る上記利益が最長5年間非課税の扱いとなるので、5年目の2018年から2023年までの間は累計の非課税投資額が最大500万円になると言うものです。非課税の適用を受ける為には、証券会社等金融機関に口座を開設する必要があり、現状1人1口座しか開設できません。


本制度は特に若い人達に自分の将来の夢の実現に向かって、積極的に投資活動を進めてもらうには良いのですが、いくつか注意しなければならない点もあります。

ご承知の通り投資は市場の状況によっては、短期的には損失が発生する場合もあります。そのような場合には、5年間の非課税期間終了後も翌年の新規投資としてロールオーバーすることも可能ですので、10年間というスパンがあれば利益を出し、非課税制度の恩典を生かせるものと思います。

投資した銘柄の運用がうまく行かず、他の銘柄に変更する場合、他の銘柄にスイッチしたと言う扱いではなく、新規に投資したことになるので、すでに100万円の枠を使い切っていれば、非課税枠は使えなくなります。

又、投資した商品が結果的に損失発生となっても、非課税枠の外で運用している商品との損益通算が出来ないことも注意する必要があります。


以上の注意点を頭に十分に入れて、日本版ISAを活用されたらよいと思います。