前回の続きで、相続税・贈与税の資産課税に関する改正について説明したいと思います。


前回は相続税の基礎控除額減、税率アップの課税強化の『むち』の部分と小規模宅地等の要件緩和や適用面積の拡大といった『あめ』の部分について書きました。


贈与税に関しては、まず税率構造を相続税に合わせ強化する一方、親・祖父母から20歳以上の子・孫への贈与の際には4500万円以下の税率段階を増やし減税することとした。

相続時精算課税制度については、贈与者の年齢制限を65歳から60歳以上に引き下げ、受贈者に孫を加えることとした。

これはひとえに高齢者の資産を出来るだけ早く若者への移転させたいという意図である。


贈与税に関連して興味を引かれるものに『教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置』というのがあるが、内容を分析するとあまり使いがっての良いものではなさそうです。祖父母や親が子供の教育資金として信託銀行に資金を一括で預け(上限1500万円)、信託銀行との間に教育資金管理の契約を結び、教育資金を引出した金額については、贈与税の課税対象に該当するものであっても非課税措置がとれるというものです。通常親子の関係であれば、扶養関係にあるので教育資金を支払うことが贈与には当てはまらないので、あえてこのような特例を利用する必要はありません。祖父母の場合はこの非課税措置を利用するケースもあるかと思いますが、信託銀行に管理を依頼するという事はそれなりに手数料も取られるという事になるかと思います。

アメリカにも、この制度に似たもので『529プラン』というのがありますが、これは日本のように前払い出来るだけでなく、積立貯蓄することができ、運用益に非課税措置が取られているので、教育資金を貯めるには非常に良いシステムだと思います。

日本のこのシステムは使い勝手が悪く、信託銀行をもうけさせるだけのシステムではないかと勘ぐってしまいます。


それ以外、事業承継税制として非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度の適用要件がかなり大幅に緩和されましたが、詳細は割愛します。


又民主党政権時代に生命保険金の相続税控除額の課税強化(被相続人と生計を一にしている相続人にしか控除額を認めない)が税制改正案としてあったが、どうも今回は出ていないようです。