義実家の家族と金沢旅行中の出来事。
目的地に向かう途中、子ども達が山に登っていき、池で鯉を見つけたらしい。
息子は興奮しながら
「ママ〜!こっち来て!鯉がいる!!」
と私を呼んだ。
私は義母と義妹、夫と地図を見ながら目的地に向かって歩き出していて、
「こっちだよ〜!」
と息子を呼んだ。
目的地まで急いでいて、息子のいる山の上には行かなかった。
息子は怒り出した。
「全部ママのせいだ!」
「ママのせいで今日は最悪だ!」
「ママが約束破ったから、もう人生終わりだ」
「ママのもとに生まれたせいだ」
「ママはバカだ!」
私は次々と放たれる息子からの言葉に内心ショックを受けたが、
「うん、ママのせいだね」
「そうだね、ママはバカだよね」
等と相槌を打ちながら、息子と歩いた。
息子は砂利を蹴飛ばしながら、怒りを発散させるように乱暴な身振り手振りで歩いていた。
息子が、こんなに怒りをあらわにして、乱暴な行動をするのも初めてだから、動揺した。
そして息子が地面に投げた石が跳ね返り、義妹の後ろ姿スレスレのところに飛んでいった。
私は息子の手を掴んで、
「人がいるところに投げちゃダメ!」
と、息子の目を見ながら怒った。
息子は私の手を振り払い、私から離れる。
…なんで、こんなに乱暴な事をするんだろう。
その後も息子は私をなじってくる。
「ママが鯉を見てくれなかった!」
「金色の綺麗な鯉だったのに…」
私はこの時、やっと息子の気持ちに気付いた。
息子は私に、綺麗な鯉を見せたかったんだな。
私と思い出を共有したくて、私を呼んだ。
でも、私はスルーしてしまった。
息子の怒りが少しずつ収まってきた。
私「鯉、綺麗だったんだね。金色だったの?」
息子「うん。ホテルの玄関の金箔よりも金だった。ゴージャスだったよ」
私「そっかぁ。私に見せてくれようとしてたんだね。」
息子「うん。」
それだけ話して、息子と手を繋いで歩いた。
怒りには理由がある。