息子が薬剤師になるまでの約6年間を振り返って書いています。
現在の息子は、病院薬剤師1年目です。
こちらの続きです↓
息子が就職試験申し込みをした病院は、HP上に就職試験実施日や内容が記載されていました。
一次試験:5月△日 筆記試験(国家試験範囲) 適性検査
二次試験:5月△日 面接
場所:○○センタービル ○階会議室
緊急事態宣言中でしたが、就職試験は必須事項なので予定通りやるんだろうな…と思っていました。
試験内容が国家試験範囲なので、国試対策をしていれば何とかなる!と息子も考えていて、勉強の合間に面接の練習を一人でやっていたようです。
本来なら、不安神経症でとにかく過緊張の息子なので、試験は実家から万全の準備で送り出そうと考えていました。
しかし、コロナの自粛が騒がれ始めて間もなかったため、多くの人々はかなり外出を控えており、県をまたぐ移動は絶対に許されない雰囲気でした。
そのため、大学のあるアパートから一人で都内に出て、試験会場まで行ってもらうしか方法がありませんでした。
私も医療従事者なので、病院側も県外からの人との接触にはかなり厳しく規制されていました。
就職試験は、緊急性もあるため、仕方なく都内に出るしかないだろうなーとは考えていました。
息子の就職試験は5月でしたが、その頃から調剤薬局やドラッグストアを受ける同級生たちは、どんどん試験がオンライン化され始め、会場まで行かずに試験を受けて、内定をもらっていたようで、東京まで行かなくてはならない息子は、だんだん不安になっていったようでした。
就職試験まであと10日に迫った日、郵送で試験延期のお知らせが来ました。
いま、緊急事態宣言中のため、やむを得ず試験を延期する旨の内容でした。
息子は、準備を進めていたので、かなりガッカリしていましたが、私の方はちょっとホッとしていました。
こんな世の中なのに、わざわざ県をまたいで流行地域には行かせたくないのが本音でした。
その後、国家試験対策のクラス別講義もオンライン化され、大学には6年生になってからほとんど行かずに大学近くのアパートで過ごしていました。
息子は、かなり真面目な性格なので、食料の買い出しも夜遅くにスーパーが閉まる頃、人がほとんどいないのを確かめてコソコソと行くのみで、全く外出しない日が続いていました。
夏も近づいてきたのに、就職試験は延期になったまま連絡が来ませんでした。
この頃から、息子は自分でも気付かないうちに、鬱のような症状に陥っていくのです。