浩二、衣笠そして前田智!同点の350二塁打 | mapleのブログ

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浩二、衣笠そして前田智!同点の350二塁打
デイリースポーツ?4月23日(月)9時10分配信

浩二、衣笠そして前田智!同点の350二塁打拡大写真  8回、通算350二塁打を達成した前田智は、ベース上で両手を力強く握る(撮影・市尻達拡)
  「広島2‐3中日」(22日、マツダ)

  広島・前田智徳外野手(40)が史上33人目となる350二塁打を達成した。八回1死二塁、代打で浅尾から右線へ運ぶ痛烈な同点打を放った。だが喜びもつかの間、九回にサファテが勝ち越しを許し3連敗で勝率5割に逆戻り。山本浩二(372本)、衣笠祥雄(373本)に続くカープ3人目の記念打を、勝利で祝えなかった。

  野村監督の勝負手に見事に応えた職人技だった。1‐2の八回1死二塁、東出にまさかの代打。大声援の中、切り札・前田智が登場した。

  相手は昨季のMVP右腕・浅尾。4球目、抜けたフォークを天才打者のバットは逃さない。芯で捉えると、一塁・山崎の右を抜け、右翼線へ痛烈な打球が飛んだ。

  二走・梵は楽々と本塁を駆け抜け、同点。前田智は何度も手をたたき、二塁に到達すると、両手を合わせ、拝むようなしぐさ。普段は寡黙な男が全身で喜びを表した。

  「点が入るなら、何でも良かった。いい所に飛んだよ。3つは負けられんよ!」。試合中に、広報を通じ、興奮気味にコメントを寄せた。

  プロ23年で積み重ねた二塁打は、これで史上33人目となる通算350本目。だが記念打も勝利で祝えない。九回にサファテが勝ち越しを許し3連敗。対中日は開幕から5連敗(1分け挟む)と、球団史上3度目の不名誉な記録を刻んでしまった。

  敗戦に、前田智も試合後はいつも通り。「どうも、ありがとうございました」と言い、帰りのタクシーに乗り込んだ。

  代打稼業3年目。職人技は今季も妥協を許さぬ練習に表れる。打撃投手が制球を乱せば本気で怒る。きれいな回転の直球でなく、カットするボールを嫌う。ただ、顔付近に抜けたボール球には何も言わず、じっくり球の軌道を見続ける。ある打撃投手は「試合でもある球だから」と言う。

  わずか5分程度の打撃練習でも、1球にかける男のすごみ。打率・444と勝負強さは例年以上だ。開幕戦で中日・吉見からの2点打を皮切りに、DeNAの守護神・山口、阪神・球児、この日の浅尾と今季の4安打5打点は、いずれも名だたる投手を仕留めたものだ。

  野村監督は「前田がいいところで期待に応えてくれた。ホーム(球場)で350二塁打が同点。いい流れで勝ちたかったけど、それを補えないのが今の状況」と悔やんだ。下位2球団に9勝0敗、上位3球団には0勝9敗2分けと極端な成績だが、まだ勝率5割。頼れる切り札を強みに、24日甲子園から出直すしかない。


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