maple-myluvさんのブログ
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フリーター2

あたしの世界は狭かった。退屈だった。
世界が狭いということは未来に希望が持てないことを意味していた。
若さがなくなった時、あたしは相変わらず時給850円で働くんだろう。あたしには本当に何も武器が残らないと容易に想像ができて怖かった。

いっそのこと、こんなあたしを受け入れてくれる社長と10代のうちに結婚した方がいいかと思った。
そのくせ浮気をしまくった。あたしはいろんな男に抱かれた。


馬鹿みたい。



「今からでも遅くないよ、大学目指せば?」

暗闇の中、長いトンネルの途中、そう言ってくれたのは高校時代の同級生の林くんだった。


あぁ、あたしは、一度自ら背を向けた道を戻っていいのだろうか



でもきっと今のあたしの希望になる唯一の道かもしれない



幸いにも元々教育には熱心の両親だったから、それを話すと「金は出す」と言ってくれた。



あたしは行動に移した。社長の家を出た。勉強をしなければと新宿の予備校を申込んだ。道を開こうとした。

フリーター1

その頃やっていたバイトで30才の土建会社の社長と知り合った。
あたしはその社長の家に転がりこんだ。
好奇心でニッカポッカを履いて仕事を手伝ったりした。あたしは財布を開くことがなかった。電車賃や小銭でさえその社長が払った。


気付いたときには、あたしの世界はまるで鳥籠でひどく退屈でとてもとても小さなものだった。


夜のバイトをした。
あたしは源氏名を初めて名乗った。

この頃から、あたしはたまにひどく呼吸が苦しくなる感覚に襲われることがあった。

助けて助けて助けて助けて助けて

でも、だれに、助けを求めればいいんだろう
だれが、救ってくれるだろう
どうしてあたしはいつもいつもこんなんなんだろう

団地の年下男5

高校生というブランドがなくなって、周りの大学生になっている友人とは自然と距離を置くようになっていた。

だってあたしは、だってあたしは

唯一依存していた男とも、もう心の繋がりが無くなった。消えてしまった。
昔のあたしとその男と、今の2人は何が違くてどこが変わってしまったんだろう。あたしとその男であることには変わりないのに。
あるのはお金の貸し借りだなんて空虚だ。

さよならを言ったわけではない、自然と男とは会わなくなった。貸したお金は戻ってこない。

18才のフリーターのあたし。時給850円で働くあたし。
外は暑くなっていた。また、夏がきたんだ。
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