わたしは十九歳で実家を出て、短大へ行き、都会で一人暮らしをしました。
社会人になってからは、父はわたしの事を大人として扱ってくれました。父との関係は少しずつ元に戻っていきました。
二十三歳の時、父に物申しました。
父に電話をすると、関東のホテルにいました。帰ってきてご飯を食べているところでした。
単刀直入に聞くけど、お父さん彼女いるんでしょう?と聞くと父は驚いていましたが、その後、なんでも話せる大切な人がいると答えてくれました。
仕事ばかりのお父さんに、そんな人がいてくれて、わたしは嬉しいよ。お母さんの面倒はわたしがみるから、お父さんはその人と再婚していいよ。とわたしは言いました。
これは本心です。母とうまくやれる夫なんているわけがない。母が妻なんて、父がかわいそうだと思っていたので。
父は、パートナーは離婚していて、もう結婚する気なんてない人だから気にするなと言っていました。
お父さんの事を愛しているなら、結婚したいんじゃないの?
もう結婚はこりごりだから、本当にいいんだよ。
びっくりしたけど、嬉しかった、ありがとう。と言われ、電話を切りました。
それから十年間その話は全くした事がありませんでした。