母が札幌に来ました。少しの間わたしの家に滞在しました。わたしは、母の行動、言動に我慢していました。多分それは母も同じなのでしょう。帰る日を前に、父の話になります。

閉鎖病棟に入ってからは、人間扱いされなかったとか、看護師にコーラを買ってあげて欲しいと頼んだのに、買ってくれなかったとか、自分が一番負担が大きく辛かったのに誰もわかってくれないとか、一人になって貧しく辛いとか。

いやいや、父を人間扱いしなかったのはあんたでしょ。わたしは、その偽善者の言葉が腹立たしくて仕方ありませんでした。心の中でユウさんと母を比べていました。

自分だけが辛いと思うなと言うと、泣きはじめ、ヒステリーになり、そんなにお母さんが憎いなら殴りなさいよと言い顔を近づけてきます。大声で。泣きながら。

くだらない。なにこの茶番。嘘つき野郎が。

わたしはキレてしまいます。近づいてきた母の肩を手で強く押しました。
殴ってどうすんの。馬鹿じゃないの。
病院の事は解決したはずだ。そんな事を言えば、悲しくなるから。もう十分悲しんだから。本当の事だけ言え。話を盛るな。と声をはって言いました。あの時の声は、自分でも聞いた事のない声でした。喉の奥の方から出ているような。魂の声だったのだと思います。

あんたの世話にはならない。一人で野垂れ死ぬからと言い放ち、母は帰りました。また母と距離ができました。